法律

令和元年度 行政書士試験過去問題・解答

問題1・20・58~60については著作権の関係から掲載していません。

目次

問題1_基礎法学(法律思想史)

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【正解】1

問題2_基礎法学(裁判の審級制度等)

裁判の審級制度等に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

ア 民事訴訟および刑事訴訟のいずれにおいても、簡易裁判所が第 1 審の裁判所である場合は、控訴審の裁判権は地方裁判所が有し、上告審の裁判権は高等裁判所が有する。
イ 民事訴訟における控訴審の裁判は、第 1 審の裁判の記録に基づいて、その判断の当否を事後的に審査するもの(事後審)とされている。
ウ 刑事訴訟における控訴審の裁判は、第 1 審の裁判の審理とは無関係に、新たに審理をやり直すもの(覆審)とされている。
エ 上告審の裁判は、原則として法律問題を審理するもの(法律審)とされるが、刑事訴訟において原審の裁判に重大な事実誤認等がある場合には、事実問題について審理することがある。
オ 上級審の裁判所の裁判における判断は、その事件について、下級審の裁判所を拘束する。

1 ア・イ 2 ア・オ 3 イ・ウ 4 ウ・エ 5 エ・オ

【正解】5

問題3_憲法(統治_議員の地位)

議員の地位に関する次の記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 衆参両議院の比例代表選出議員に欠員が出た場合、当選順位に従い繰上補充が行われるが、名簿登載者のうち、除名、離党その他の事由により名簿届出政党等に所属する者でなくなった旨の届出がなされているものは、繰上補充の対象とならない。
2 両議院の議員は、国会の会期中逮捕されないとの不逮捕特権が認められ、憲法が定めるところにより、院外における現行犯の場合でも逮捕されない。
3 両議院には憲法上自律権が認められており、所属議員への懲罰については司法審査が及ばないが、除名処分については、一般市民法秩序と関連するため、裁判所は審査を行うことができる。
4 地方議会の自律権は、議院の自律権とは異なり法律上認められたものにすぎないので、裁判所は、除名に限らず、地方議会による議員への懲罰について広く審査を行うことができる。
5 地方議会の議員は、住民から直接選挙されるので、国会議員と同様に免責特権が認められ、議会で行った演説、討論または表決について議会外で責任を問われな い。

【正解】1

問題4_憲法(人権_家族・婚姻)

家族 ・ 婚姻に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 嫡出でない子の法定相続分を嫡出子の 2 分の 1 とする民法の規定は、当該規定が補充的に機能する規定であることから本来は立法裁量が広く認められる事柄であるが、法律婚の保護という立法目的に照らすと著しく不合理であり、憲法に違反する。
2 国籍法が血統主義を採用することには合理性があるが、日本国民との法律上の親子関係の存否に加え、日本との密接な結びつきの指標として一定の要件を設け、これを満たす場合に限り出生後の国籍取得を認めるとする立法目的には、合理的な根拠がないため不合理な差別に当たる。
3 出生届に嫡出子または嫡出でない子の別を記載すべきものとする戸籍法の規定は、嫡出でない子について嫡出子との関係で不合理な差別的取扱いを定めたものであり、憲法に違反する。
4 厳密に父性の推定が重複することを回避するための期間(100 日)を超えて女性の再婚を禁止する民法の規定は、婚姻および家族に関する事項について国会に認められる合理的な立法裁量の範囲を超え、憲法に違反するに至った。
5 夫婦となろうとする者の間の個々の協議の結果として夫の氏を選択する夫婦が圧倒的多数を占める状況は実質的に法の下の平等に違反する状態といいうるが、婚姻前の氏の通称使用が広く定着していることからすると、直ちに違憲とまではいえな い。

【正解】4

問題5_憲法(人権_選挙権)

選挙権・選挙制度に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1 国民の選挙権それ自体を制限することは原則として許されず、制約が正当化されるためにはやむを得ない事由がなければならないが、選挙権を行使するための条件は立法府が選択する選挙制度によって具体化されるものであるから、選挙権行使の制約をめぐっては国会の広い裁量が認められる。
2 立候補の自由は、選挙権の自由な行使と表裏の関係にあり、自由かつ公正な選挙を維持する上で、きわめて重要な基本的人権であることに鑑みれば、これに対する制約は特に慎重でなければならない。
3 一定の要件を満たした政党にも選挙運動を認めることが是認される以上、そうした政党に所属する候補者とそれ以外の候補者との間に選挙運動上の差異が生じても、それが一般的に合理性を有するとは到底考えられない程度に達している場合に、はじめて国会の裁量の範囲を逸脱し、平等原則に違反することになる。
4 小選挙区制は、死票を多く生む可能性のある制度であることは否定し難いが、死票はいかなる制度でも生ずるものであり、特定の政党のみを優遇する制度とはいえないのであって、選挙を通じて国民の総意を議席に反映させる一つの合理的方法といい得る。
5 比例代表選挙において、選挙人が政党等を選択して投票し、各政党等の得票数の多寡に応じて、政党等があらかじめ定めた当該名簿の順位に従って当選人を決定する方式は、投票の結果、すなわち選挙人の総意により当選人が決定される点で選挙人が候補者個人を直接選択して投票する方式と異ならず、直接選挙といい得る。

【正解】1

問題6_憲法(人権_教科書検定)

教科書検定制度の合憲性に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1 国は、広く適切な教育政策を樹立、実施すべき者として、また、子供自身の利益を擁護し、子供の成長に対する社会公共の利益と関心にこたえるため、必要かつ相当な範囲で教育内容についてもこれを決定する権能を有する。
2 教科書検定による不合格処分は、発表前の審査によって一般図書としての発行を制限するため、表現の自由の事前抑制に該当するが、思想内容の禁止が目的ではないから、検閲には当たらず、憲法 21 条 2 項前段の規定に違反するものではない。
3 教育の中立・公正、教育水準の確保などを実現するための必要性、教科書という特殊な形態での発行を禁ずるにすぎないという制限の程度などを考慮すると、ここでの表現の自由の制限は合理的で必要やむを得ない限度のものというべきである。
4 教科書は学術研究の結果の発表を目的とするものではなく、検定制度は一定の場合に教科書の形態における研究結果の発表を制限するにすぎないから、学問の自由を保障した憲法 23 条の規定に違反しない。
5 行政処分には、憲法 31 条による法定手続の保障が及ぶと解すべき場合があるにしても、行政手続は行政目的に応じて多種多様であるから、常に必ず行政処分の相手方に告知、弁解、防御の機会を与える必要はなく、教科書検定の手続は憲法 31 条に違反しない。

【正解】2

問題7_憲法(統治_裁判官の懲戒)

動物愛護や自然保護に強い関心を持つ裁判官A氏は、毛皮の採取を目的とした野生動物の乱獲を批判するため、休日に仲間と語らって派手なボディペインティングをした風体でデモ行進を行い、その写真をソーシャルメディアに掲載したところ、賛否両論の社会的反響を呼ぶことになった。事態を重く見た裁判所は、A氏に対する懲戒手続を開始した。
このニュースに関心を持ったBさんは、事件の今後の成り行きを予測するため情報収集を試みたところ、裁判官の懲戒手続一般についてインターネット上で次の 1 ~ 5 の出所不明の情報を発見した。このうち、法令や最高裁判所の判例に照らし、 妥当なものはどれか。

1 裁判官の身分保障を手続的に確保するため、罷免については国会に設置された弾劾裁判所が、懲戒については独立の懲戒委員会が決定を行う。
2 裁判官の懲戒の内容は、職務停止、減給、戒告または過料とされる。
3 司法権を行使する裁判官に対する政治運動禁止の要請は、一般職の国家公務員に対する政治的行為禁止の要請よりも強い。
4 政治運動を理由とした懲戒が憲法 21 条に違反するか否かは、当該政治運動の目的や効果、裁判官の関わり合いの程度の 3 点から判断されなければならない。
5 表現の自由の重要性に鑑みれば、裁判官の品位を辱める行状があったと認定される事例は、著しく品位に反する場合のみに限定されなければならない。

【正解】3

問題8_行政法(法理論_義務履行)

行政上の義務の履行確保手段に関する次の記述のうち、法令および判例に照らし、正しいものはどれか。

1 即時強制とは、非常の場合または危険切迫の場合において、行政上の義務を速やかに履行させることが緊急に必要とされる場合に、個別の法律や条例の定めにより行われる簡易な義務履行確保手段をいう。
2 直接強制は、義務者の身体または財産に直接に実力を行使して、義務の履行があった状態を実現するものであり、代執行を補完するものとして、その手続が行政代執行法に規定されている。
3 行政代執行法に基づく代執行の対象となる義務は、「法律」により直接に命じられ、または「法律」に基づき行政庁により命じられる代替的作為義務に限られるが、ここにいう「法律」に条例は含まれない旨があわせて規定されているため、条例を根拠とする同種の義務の代執行については、別途、その根拠となる条例を定める必要がある。
4 行政上の秩序罰とは、行政上の秩序に障害を与える危険がある義務違反に対して科される罰であるが、刑法上の罰ではないので、国の法律違反に対する秩序罰については、非訟事件手続法の定めるところにより、所定の裁判所によって科される。
5 道路交通法に基づく違反行為に対する反則金の納付通知について不服がある場合は、被通知者において、刑事手続で無罪を主張するか、当該納付通知の取消訴訟を提起するかのいずれかを選択することができる。

【正解】4

問題9_行政法(法理論_行政組織)

内閣法および国家行政組織法の規定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 各省大臣は、国務大臣のうちから内閣総理大臣が命ずるが、内閣総理大臣が自ら各省大臣に当たることはできない。
2 各省大臣は、その機関の事務を統括し、職員の服務について、これを統督するが、その機関の所掌事務について、命令または示達をするため、所管の諸機関および職員に対し、告示を発することができる。
3 各省大臣は、主任の行政事務について、法律または政令の制定、改正または廃止を必要と認めるときは、案をそなえて、内閣総理大臣に提出して、閣議を求めなければならない。
4 各省大臣は、主任の行政事務について、法律もしくは政令を施行するため、または法律もしくは政令の特別の委任に基づいて、それぞれその機関の命令として規則その他の特別の命令を発することができる。
5 各省大臣は、主任の大臣として、それぞれ行政事務を分担管理するものとされ、内閣総理大臣が行政各部を指揮監督することはできない。

【正解】3

問題10_行政法(法理論_公有水面埋立て)

次の文章は、公有水面埋立てに関する最高裁判所判決の一節である。次の下線を引いたア~オの用語のうち、誤っているものの組合せはどれか。

(1)海は、特定人による独占的排他的支配の許されないものであり、現行法上、海水に覆われたままの状態でその一定範囲を区画してこれを私人の所有に帰属させるという制度は採用されていないから、海水に覆われたままの状態においては、私法上(ア)所有権の客体となる土地に当たらない(略)。また、海面を埋め立てるために土砂が投入されて埋立地が造成されても、原則として、埋立権者が竣功認可を受けて当該埋立地の(ア)所有権を取得するまでは、その土砂は、海面下の地盤に付合するものではなく、公有水面埋立法・・・に定める原状回復義務の対象となり得るものである (略)。これらのことからすれば、海面の埋立工事が完成して陸地が形成されても、 同項に定める原状回復義務の対象となり得る限りは、海面下の地盤の上に独立した動 産たる土砂が置かれているにすぎないから、この時点ではいまだ当該埋立地は私法上 (ア)所有権の客体となる土地に当たらないというべきである。

(2)公有水面埋立法・・・に定める上記原状回復義務は、海の公共性を回復するため に埋立てをした者に課せられた義務である。そうすると、長年にわたり当該埋立地が 事実上公の目的に使用されることもなく放置され、(イ)公共用財産としての形態、機能を完全に喪失し、その上に他人の平穏かつ公然の(ウ)占有が継続したが、そのため実際上公の目的が害されるようなこともなく、これを(イ)公共用財産として維持すべき理由がなくなった場合には、もはや同項に定める原状回復義務の対象とならないと解すべ きである。したがって、竣功未認可埋立地であっても、上記の場合には、当該埋立地は、もはや公有水面に復元されることなく私法上所有権の客体となる土地として存続することが確定し、同時に、(エ)明示的に公用が廃止されたものとして、(オ)消滅時効の対象となるというべきである。

1 ア・ウ 2 ア・オ 3 イ・ウ 4 イ・エ 5 エ・オ

【正解】5

問題11_行政法(行政手続法_行政指導)

行政指導についての行政手続法の規定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 法令に違反する行為の是正を求める行政指導で、その根拠となる規定が法律に置かれているものが当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、何人も、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができる。
2 行政指導は、行政機関がその任務または所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため一定の作為または不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいい、その相手方が特定か不特定かは問わない。
3 地方公共団体の機関がする行政指導のうち、その根拠が条例または規則に置かれ ているものについては、行政手続法の行政指導に関する定めの適用はないが、その根拠が国の法律に置かれているものについては、その適用がある。
4 行政指導が口頭でされた場合において、その相手方から当該行政指導の趣旨および内容ならびに責任者を記載した書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者は、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない。
5 行政指導指針を定めるに当たって、行政手続法による意見公募手続をとらなければならないとされているのは、当該行政指導の根拠が法律、条例または規則に基づくものに限られ、それらの根拠なく行われるものについては、意見公募手続に関する定めの適用はない。

【正解】4

問題12_行政法(行政手続法_聴聞)

聴聞についての行政手続法の規定に関する次のア~オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア 聴聞は、行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主宰するが、当該聴聞の 当事者や参加人など、当該不利益処分の対象者に一定の関連を有する者のほか、行政庁の職員のうち、当該不利益処分に係る事案の処理に直接関与した者は、主宰者となることができない。
イ 行政庁は、予定している不利益処分につき、聴聞の主宰者から当該聴聞に係る報告書の提出を受けてから、当該不利益処分を行うか否か決定するまでに通常要すべき標準的な期間を定め、これを当該聴聞の当事者に通知するよう努めなければならない。
ウ 主宰者は、当事者の全部または一部が正当な理由なく聴聞の期日に出頭せず、 かつ、陳述書または証拠書類等を提出しない場合、これらの者に対し改めて意見を述べ、および証拠書類等を提出する機会を与えることなく、聴聞を終結することができる。
エ 行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該処分の根拠法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、当該申請者以外の者に対し、不利益処分を行う場合に準じた聴聞を行わなければならない。
オ 聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、当事者から行政庁に対し、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求められた場合、行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときは、その閲覧を拒むことができる。

1 ア・イ 2 ア・オ 3 イ・エ 4 ウ・エ 5 ウ・オ

【正解】5

問題13_行政法(行政手続法_一般)

行政手続法に関する次のア~オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア 行政指導指針は、行政機関がこれを定めたときは、行政上特別の支障がない限り、公表しなければならない。
イ 申請に対する処分が標準処理期間内に行われない場合には、そのことを理由として直ちに、不作為の違法確認の訴えにおいて、その請求が認容される。
ウ 行政庁が、処分基準を定めたときは、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。
エ 申請により求められた許認可等を拒否する場合において、申請者に対する理由の提示が必要とされるのは、申請を全部拒否するときに限られ、一部拒否のときはその限りでない。
オ 法律に基づく命令、審査基準、処分基準および行政指導指針を定める場合、公益上、緊急に定める必要がある場合など行政手続法が定める例外を除いて、意見公募手続をとらなければならない。

1 ア・エ 2 ア・オ 3 イ・ウ 4 イ・エ 5 ウ・オ

【正解】2

問題14_行政法(行政不服審査法_裁決)

裁決および決定についての行政不服審査法の規定に関する次のア~オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア 審査請求人は、処分についての審査請求をした日(審査請求書につき不備の補正を命じられた場合は、当該不備を補正した日)から、行政不服審査法に定められた期間内に裁決がないときは、当該審査請求が審査庁により棄却されたものとみなすことができる。
イ 審査請求については、裁決は関係行政庁を拘束する旨の規定が置かれており、この規定は、再審査請求の裁決についても準用されているが、再調査の請求に対する決定については、準用されていない。
ウ 審査請求および再審査請求に対する裁決については、認容、棄却、却下の 3 つの類型があるが、再調査の請求については請求期間の定めがないので、これに対する決定は、認容と棄却の 2 つの類型のみである。
エ 審査請求においては、処分その他公権力の行使に当たる行為が違法または不当であるにもかかわらず、例外的にこれを認容せず、裁決主文で違法または不当を宣言し、棄却裁決をする制度(いわゆる事情裁決)があるが、再調査の請求に対する決定についても、類似の制度が規定されている。
オ 事実上の行為のうち、処分庁である審査庁に審査請求をすべきとされているものについて、審査請求に理由がある場合には、審査庁は、事情裁決の場合を除き、裁決で、当該事実上の行為が違法または不当である旨を宣言するとともに、当該事実上の行為の全部もしくは一部を撤廃し、またはこれを変更する。

1 ア・ウ 2 ア・エ 3 イ・エ 4 イ・オ 5 ウ・オ

【正解】4

問題15_行政法(行政不服審査法_審査請求)

行政不服審査法が定める審査請求の手続等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 審査請求は、審査請求をすべき行政庁が処分庁と異なる場合には、処分庁を経由してすることもできるが、処分庁は提出された審査請求書を直ちに審査庁となるべき行政庁に送付しなければならない。
2 審査庁は、審査請求が不適法であって補正をすることができないことが明らかなときは、審理員による審理手続を経ないで、裁決で、当該審査請求を却下することができる。
3 審査請求人は、審理手続が終了するまでの間、審理員に対し、提出書類等の閲覧を求めることができるが、その写しの交付を求めることもできる。
4 審理員は、審査請求人の申立てがあった場合には、口頭意見陳述の機会を与えなければならないが、参加人がこれを申し立てることはできない。
5 行政庁の処分に不服がある者は、当該処分が法律上適用除外とされていない限り、当該処分の根拠となる法律に審査請求をすることができる旨の定めがないものについても、審査請求をすることができる。

【正解】4

問題16_行政法(行政不服審査法)

行政不服審査法の規定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 地方公共団体は、行政不服審査法の規定の趣旨にのっとり、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2 地方公共団体の行政庁が審査庁として、審理員となるべき者の名簿を作成したときは、それについて当該地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
3 不服申立ての状況等に鑑み、地方公共団体に当該地方公共団体の行政不服審査機関を設置することが不適当または困難であるときは、審査庁は、審査請求に係る 事件につき、国の行政不服審査会に諮問を行うことができる。
4 地方公共団体の議会の議決によってされる処分については、当該地方公共団体の議会の議長がその審査庁となる。
5 地方公共団体におかれる行政不服審査機関の組織及び運営に必要な事項は、当該地方公共団体の条例でこれを定める。

【正解】5

問題17_行政法(行政事件訴訟法_執行停止)

行政事件訴訟法が定める執行停止に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 執行停止の決定は、裁判所が疎明に基づいて行うが、口頭弁論を経て行わなければならない。
2 執行停止の決定は、取消訴訟の提起があった場合においては、裁判所が職権で行うことができる。
3 執行停止の決定は、償うことができない損害を避けるための緊急の必要がある場合でなければ、することができない。
4 執行停止の決定は、本案について理由があるとみえる場合でなければ、することができない。
5 執行停止による処分の効力の停止は、処分の執行または手続の続行の停止によって目的を達することができる場合には、することができない。

【正解】5

問題18_行政法(行政事件訴訟法_訴訟法上の地位)

行政事件訴訟法が定める行政庁の訴訟上の地位に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 処分をした行政庁が国または公共団体に所属しない場合は、取消訴訟は、当該行政庁を被告として提起しなければならない。
2 処分をした行政庁は、当該処分の取消訴訟について、裁判上の一切の行為をする権限を有する。
3 審査請求の裁決をした行政庁は、それが国または公共団体に所属する場合であっても、当該裁決の取消訴訟において被告となる。
4 裁判所は、義務付けの訴えに係る処分につき、訴えに理由があると認めるときは、当該処分の担当行政庁が当該処分をすべき旨を命ずる判決をする。
5 裁判所は、私法上の法律関係に関する訴訟において処分の効力の有無が争われている場合、決定をもって、その処分に関係する行政庁を当該訴訟に参加させることができる。

【正解】3

問題19_行政法(行政事件訴訟法_抗告訴訟)

抗告訴訟に関する次の記述について、正しいものはどれか。

1 裁判所は、処分または裁決をした行政庁以外の行政庁を訴訟に参加させることが必要であると認めるときは、当事者または当該行政庁の申立てを待たず、当該行政庁を職権で訴訟に参加させることができる。
2 処分の取消しの訴えにおいて、裁判所は職権で証拠調べをすることができるが、その対象は、訴訟要件に関するものに限られ、本案に関するものは含まれない。
3 取消訴訟の訴訟物は、処分の違法性一般であるから、取消訴訟を提起した原告は、自己の法律上の利益に関係のない違法についても、それを理由として処分の取消しを求めることができる。
4 裁判所は、処分の取消しの訴えにおいて、当該処分が違法であっても、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償または防止の程度および方法その他一切の事情を考慮した上、当該処分を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、当該訴えを却下することができる。
5 行政庁に対して一定の処分を求める申請を拒否された者が、処分の義務付けの訴えを提起する場合、重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、処分の義務付けの訴えのみを単独で提起することができる。

【正解】1

問題20_行政法(損失訴訟)

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【正解】1

問題21_行政法(国家賠償法_2条1項の責任)

次の文章は、国家賠償法 2 条 1 項の責任の成否が問題となった事案に関する最高裁判所判決の一節である。空欄 ア ~ エ に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。

国家賠償法 2 条 1 項の営造物の設置または管理の瑕疵とは、営造物が ア を欠いていることをいい、これに基づく国および公共団体の賠償責任については、その イ の存在を必要としないと解するを相当とする。ところで、原審の確定するところによれば、本件道路(は)・・・従来山側から屡々落石があり、さらに崩土さえも何回かあったのであるから、いつなんどき落石や崩土が起こるかも知れず、本件道路 を通行する人および車はたえずその危険におびやかされていたにもかかわらず、道路管理者においては、「落石注意」等の標識を立て、あるいは竹竿の先に赤の布切をつけて立て、これによって通行車に対し注意を促す等の処置を講じたにすぎず、本件道路の右のような危険性に対して防護柵または防護覆を設置し、あるいは山側に金網を張るとか、常時山地斜面部分を調査して、落下しそうな岩石があるときは、これを除去し、崩土の起こるおそれのあるときは、事前に通行止めをする等の措置をとったことはない、というのである。・・・かかる事実関係のもとにおいては、本件道路は、その通行の安全性の確保において欠け、その管理に瑕疵があったものというべきである旨、・・・そして、本件道路における防護柵を設置するとした場合、その費用の額が相当の多額にのぼり、上告人県としてその ウ に困却するであろうことは推察できるが、それにより直ちに道路の管理の瑕疵によって生じた損害に対する賠償責任を免れうるものと考えることはできないのであり、その他、本件事故が不可抗力ないし エ のない場合であることを認めることができない旨の原審の判断は、いずれも正当として是認することができる。
(最一小判昭和 45 年 8 月 20 日民集 24 巻 9 号 1268 頁)

     ア       イ     ウ     エ
1 過渡的な安全性    重過失  予算措置  回避可能性
2 通常有すべき安全性  故意   予算措置  予見可能性
3 過渡的な安全性    重過失  事務処理  予見可能性
4 通常有すべき安全性  過失   事務処理  予見可能性
5 通常有すべき安全性  過失   予算措置  回避可能性

【正解】5

問題22_行政法(地方自治法_議会)

普通地方公共団体の議会に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 議会は、長がこれを招集するほか、議長も、議会運営委員会の議決を経て、自ら臨時会を招集することができる。
2 議員は、法定数以上の議員により、長に対して臨時会の招集を請求することができるが、その場合における長の招集に関し、招集の時期などについて、地方自治法は特段の定めを置いていない。
3 議会は、定例会および臨時会からなり、臨時会は、必要がある場合において、付議すべき事件を長があらかじめ告示し、その事件に限り招集される。
4 議員は、予算を除く議会の議決すべき事件につき、議会に議案を提出することができるが、条例の定めがあれば、 1 人の議員によってもこれを提出することができる。
5 議会の運営に関する事項のうち、議員の請求による会議の開催、会議の公開については、議会の定める会議規則によるものとし、地方自治法は具体的な定めを置いていない。

【正解】3

問題23_行政法(地方自治法_公の施設)

公の施設についての地方自治法の規定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 公の施設とは、地方公共団体が設置する施設のうち、住民の福祉を増進する目的のため、その利用に供する施設をいう。
2 公の施設の設置およびその管理に関する事項は、条例により定めなければならない。
3 普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体が指定する法人その他の団体に、公の施設の管理を行わせることができるが、そのためには長の定める規則によらなければならない。
4 普通地方公共団体は、公の施設の管理を行わせる法人その他の団体の指定をしようとするときは、あらかじめ、当該普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
5 普通地方公共団体は、適当と認めるときは、当該普通地方公共団体が指定する法人その他の団体に、その管理する公の施設の利用に係る料金をその者の収入として収受させることができる。

【正解】3

問題24_行政法(地方自治法_監査委員)

地方自治法が定める監査委員に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 普通地方公共団体の常勤の職員は、監査委員を兼務することができない。
2 普通地方公共団体の議会の議員は、条例に特に定めのない限り、当該普通地方公共団体の監査委員となることができない。
3 監査委員は、普通地方公共団体の長が選任し、それについて議会の同意を得る必要はない。
4 監査委員の定数は、条例により、法律上定められている数以上に増加させることはできない。
5 都道府県とは異なり、政令で定める市においては、常勤の監査委員を置く必要はない。

【正解】1

問題25_行政法(総合_上水道)

上水道に関する次のア~エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、正しいものの組合せはどれか。

ア 自然的条件において、取水源が貧困で現在の取水量を増加させることが困難である状況等があるとき、水道事業者としての市町村は、需要量が給水量を上回り水不足が生ずることのないように、もっぱら水の供給を保つという観点から水道水の需要の著しい増加を抑制するための施策をとることも、やむを得ない措置として許される。
イ 行政指導として教育施設の充実に充てるために事業主に対して寄付金の納付を求めること自体は、強制にわたるなど事業主の任意性を損なうことがない限り、違法ということはできないが、水道の給水契約の締結等の拒否を背景として、その遵守を余儀なくさせることは、違法である。
ウ 水道事業者である地方公共団体が、建築指導要綱に従わないことを理由に建築中のマンションの給水契約の拒否を行うことも、当該建築指導要綱を遵守させるために行政指導を継続する理由があるといった事情がある場合には、給水契約の拒否を行うについて水道法が定める「正当な理由」があるものとして適法なものとされる。
エ 建築基準法に違反し、建築確認を受けずになされた増築部分につき、水道事業者である地方公共団体の職員が給水装置新設工事の申込書を返戻した場合、それが、当該申込みの受理を最終的に拒否する旨の意思表示をしたものではなく、同法違反の状態を是正し、建築確認を受けた上で申込みをするよう一応の勧告をしたものにすぎないものであったとしても、かかる措置は、違法な拒否に当たる。

1 ア・イ 2 ア・ウ 3 イ・ウ 4 イ・エ 5 ウ・エ

【正解】1

問題26_行政法(総合_国公立学校)

国公立学校をめぐる行政法上の問題に関する次のア~エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア 公立高等専門学校の校長が学生に対し原級留置処分または退学処分を行うかどうかの判断は、校長の合理的な教育的裁量にゆだねられるべきものであり、裁判所がその処分の適否を審査するに当たっては、校長と同一の立場に立って当該処分をすべきであったかどうか等について判断し、その結果と当該処分とを比較してその適否、軽重等を論ずべきである。
イ 公立中学校教員を同一市内の他の中学校に転任させる処分は、仮にそれが被処分者の法律上の地位に何ら不利益な変更を及ぼすものではないとしても、その名誉につき重大な損害が生じるおそれがある場合は、そのことを理由に当該処分の取消しを求める法律上の利益が認められる。
ウ 公立学校の儀式的行事における教育公務員としての職務の遂行の在り方に関し校長が教職員に対して発した職務命令は、教職員個人の身分や勤務条件に係る権利義務に直接影響を及ぼすものではないから、抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらない。
エ 国公立大学が専攻科修了の認定をしないことは、一般市民としての学生が国公立大学の利用を拒否することにほかならず、一般市民として有する公の施設を利用する権利を侵害するものであるから、専攻科修了の認定、不認定に関する争いは司法審査の対象となる。

1 ア・イ 2 ア・ウ 3 イ・ウ 4 イ・エ 5 ウ・エ

【正解】5

問題27_民法(総則_時効の援用)

時効の援用に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。

ア 時効による債権の消滅の効果は、時効期間の経過とともに確定的に生ずるものではなく、時効が援用されたときにはじめて確定的に生ずるものである。
イ 時効の援用を裁判上行使する場合には、事実審の口頭弁論終結時までにする必要がある。
ウ 被相続人の占有により取得時効が完成していた場合に、その共同相続人の一人 は、自己の相続分の限度においてのみ取得時効を援用することができる。
エ 保証人や連帯保証人は、主たる債務の消滅時効を援用することはできるが、物上保証人や抵当不動産の第三取得者は、被担保債権の消滅時効を援用することはできない。
オ 主たる債務者である破産者が免責許可決定を受けた場合であっても、その保証人は、自己の保証債務を免れるためには、免責許可決定を受けた破産者の主たる債務について、消滅時効を援用しなければならない。

1 ア・イ 2 ア・エ 3 イ・ウ 4 ウ・オ 5 エ・オ

【正解】5

問題28_民法(総則_代理)

代理に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1 代理人が代理行為につき、相手方に対して詐欺を行った場合、本人がその事実を知らなかったときであっても、相手方はその代理行為を取り消すことができる。
2 無権代理行為につき、相手方が本人に対し、相当の期間を定めてその期間内に追認するかどうかを確答すべき旨の催告を行った場合において、本人が確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなされる。
3 代理人が本人になりすまして、直接本人の名において権限外の行為を行った場合に、相手方においてその代理人が本人自身であると信じ、かつ、そのように信じたことにつき正当な理由がある場合でも、権限外の行為の表見代理の規定が類推される余地はない。
4 代理人が本人の許諾を得て復代理人を選任した場合において、復代理人が代理行為の履行として相手方から目的物を受領したときは、同人はこれを代理人に対してではなく、本人に対して引き渡す義務を負う。
5 無権代理行為につき、相手方はこれを取り消すことができるが、この取消しは本人が追認しない間に行わなければならない。

【正解】なし

問題29_民法(物権_動産物権変動)

動産物権変動に関する次の記述のうち、民法等の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1 Aは自己所有の甲機械をBに譲渡したが、その引渡しをしないうちにAの債権者であるCが甲機械に対して差押えを行った。この場合において、Bは、差押えに先立って甲機械の所有権を取得したことを理由として、Cによる強制執行の不許を求めることはできない。
2 Dは自己所有の乙機械をEに賃貸し、Eはその引渡しを受けて使用収益を開始したが、Dは賃貸借期間の途中でFに対して乙機械を譲渡した。FがEに対して所有権に基づいて乙機械の引渡しを求めた場合には、Eは乙機械の動産賃借権をもってFに対抗することができないため、D・F間において乙機械に関する指図による占有移転が行われていなかったとしても、EはFの請求に応じなければならない。
3 Gは自己所有の丙機械をHに寄託し、Hがその引渡しを受けて保管していたところ、GはIに対して丙機械を譲渡した。この場合に、HがGに代って一時丙機械を保管するに過ぎないときには、Hは、G・I間の譲渡を否認するにつき正当な利害関係を有していないので、Iの所有権に基づく引渡しの請求に応じなければならな い。
4 Jは、自己所有の丁機械をKに対して負っている貸金債務の担保としてKのために譲渡担保権を設定した。動産に関する譲渡担保権の対抗要件としては占有改定による引渡しで足り、譲渡担保権設定契約の締結後もJが丁機械の直接占有を継続している事実をもって、J・K間で占有改定による引渡しが行われたものと認められる。
5 集合動産譲渡担保が認められる場合において、種類、量的範囲、場所で特定された集合物を譲渡担保の目的とする旨の譲渡担保権設定契約が締結され、占有改定による引渡しが行われたときは、集合物としての同一性が損なわれない限り、後に新たにその構成部分となった動産についても譲渡担保に関する対抗要件の効力が及ぶ。

【正解】2

問題30_民法(物権_地役権・地上権)

A所有の甲土地とB所有の乙土地が隣接し、甲土地の上にはC所有の丙建物が存在している。この場合における次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア Bが、甲土地に乙土地からの排水のための地役権をA・B間で設定し登記していた場合において、CがAに無断で甲土地に丙建物を築造してその建物の一部が乙土地からの排水の円滑な流れを阻害するときは、Bは、Cに対して地役権に基づき丙建物全部の収去および甲土地の明渡しを求めることができる。
イ A・B間で、乙土地の眺望を確保するため、甲土地にいかなる工作物も築造しないことを内容とする地役権を設定し登記していた場合において、Cが賃借権に基づいて甲土地に丙建物を築造したときは、Bは地役権に基づき建物の収去を求めることができる。
ウ 甲土地が乙土地を通らなければ公道に至ることができない、いわゆる袋地である場合において、Cが、Aとの地上権設定行為に基づいて甲土地に丙建物を建築し乙土地を通行しようとするときは、Cは、甲土地の所有者でないため、Bとの間で乙土地の通行利用のため賃貸借契約を結ぶ必要がある。
エ Aは、自己の債務の担保として甲土地に抵当権を設定したが、それ以前に賃借権に基づいて甲土地に丙建物を築造していたCからAが当該抵当権の設定後に丙建物を買い受けた場合において、抵当権が実行されたときは、丙建物のために、地上権が甲土地の上に当然に発生する。
オ Cが、地上権設定行為に基づいて甲土地上に丙建物を築造していたところ、期間の満了により地上権が消滅した場合において、Aが時価で丙建物を買い取る旨を申し出たときは、Cは、正当な事由がない限りこれを拒むことができない。

1 ア・ウ 2 ア・オ 3 イ・エ 4 イ・オ 5 ウ・エ

【正解】4

問題31_民法(物権_質権)

質権に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1 動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができず、また、質物の占有を第三者によって奪われたときは、占有回収の訴えによってのみ、その質物を回復することができる。
2 不動産質権は、目的不動産を債権者に引き渡すことによってその効力を生ずるが、不動産質権者は、質権設定登記をしなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない。
3 債務者が他人の所有に属する動産につき質権を設定した場合であっても、債権者は、その動産が債務者の所有物であることについて過失なく信じたときは、質権を即時取得することができる。
4 不動産質権者は、設定者の承諾を得ることを要件として、目的不動産の用法に従ってその使用収益をすることができる。
5 質権は、債権などの財産権の上にこれを設定することができる。

【正解】4

問題32_民法(債権_転貸借)

建物が転貸された場合における賃貸人(建物の所有者)、賃借人(転貸人)および転借人の法律関係に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア 賃貸人の承諾がある転貸において、賃貸人が当該建物を転借人に譲渡し、賃貸人の地位と転借人の地位とが同一人に帰属したときであっても、賃借人と転借人間に転貸借関係を消滅させる特別の合意がない限り、転貸借関係は当然には消滅しない。
イ 賃貸人の承諾がある転貸において、賃借人による賃料の不払があったときは、賃貸人は、賃借人および転借人に対してその支払につき催告しなければ、原賃貸借を解除することができない。
ウ 賃貸人の承諾がある転貸であっても、これにより賃貸人と転借人間に賃貸借契約が成立するわけではないので、賃貸人は、転借人に直接に賃料の支払を請求することはできない。
エ 無断転貸であっても、賃借人と転借人間においては転貸借は有効であるので、原賃貸借を解除しなければ、賃貸人は、転借人に対して所有権に基づく建物の明渡しを請求することはできない。
オ 無断転貸において、賃貸人が転借人に建物の明渡しを請求したときは、転借人は建物を使用収益できなくなるおそれがあるので、賃借人が転借人に相当の担保を提供していない限り、転借人は、賃借人に対して転貸借の賃料の支払を拒絶できる。

1  ア・イ
2  ア・オ
3  イ・ウ
4  ウ・エ
5  エ・オ

【正解】2

問題33_民法(債権_委任・事務管理)

甲建物(以下「甲」という。)を所有するAが不在の間に台風が襲来し、甲の窓ガラスが破損したため、隣りに住むBがこれを取り換えた場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1 BがAから甲の管理を頼まれていた場合であっても、A・B間において特約がない限り、Bは、Aに対して報酬を請求することができない。
2 BがAから甲の管理を頼まれていなかった場合であっても、Bは、Aに対して窓ガラスを取り換えるために支出した費用を請求することができる。
3 BがAから甲の管理を頼まれていなかった場合であっても、Bが自己の名において窓ガラスの取換えを業者Cに発注したときは、Bは、Aに対して自己に代わって代金をCに支払うことを請求することができる。
4 BがAから甲の管理を頼まれていなかった場合においては、BがAの名において窓ガラスの取換えを業者Dに発注したとしても、Aの追認がない限り、Dは、Aに対してその請負契約に基づいて代金の支払を請求することはできない。
5 BがAから甲の管理を頼まれていた場合であっても、A・B間において特約がなければ、窓ガラスを取り換えるに当たって、Bは、Aに対して事前にその費用の支払を請求することはできない。

【正解】5

問題34_民法(債権_不法行為)

不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1 精神障害者と同居する配偶者は法定の監督義務者に該当しないが、責任無能力者との身分関係や日常生活における接触状況に照らし、第三者に対する加害行為の防止に向けてその者が当該責任無能力者の監督を現に行い、その態様が単なる事実上の監督を超えているなどその監督義務を引き受けたとみるべき特段の事情が認められる場合には、当該配偶者は法定の監督義務者に準ずべき者として責任無能力者の監督者責任を負う。
2 兄が自己所有の自動車を弟に運転させて迎えに来させた上、弟に自動車の運転を継続させ、これに同乗して自宅に戻る途中に、弟の過失により追突事故が惹起された。その際、兄の同乗後は運転経験の長い兄が助手席に座って、運転経験の浅い弟の運転に気を配り、事故発生の直前にも弟に対して発進の指示をしていたときには、一時的にせよ兄と弟との間に使用関係が肯定され、兄は使用者責任を負う。
3 宅地の崖地部分に設けられたコンクリートの擁壁の設置または保存による瑕疵が前所有者の所有していた際に生じていた場合に、現所有者が当該擁壁には瑕疵がないと過失なく信じて当該宅地を買い受けて占有していたとしても、現所有者は土地の工作物責任を負う。
4 犬の飼主がその雇人に犬の散歩をさせていたところ、当該犬が幼児に噛みついて負傷させた場合には、雇人が占有補助者であるときでも、当該雇人は、現実に犬の 散歩を行っていた以上、動物占有者の責任を負う。
5 交通事故によりそのまま放置すれば死亡に至る傷害を負った被害者が、搬入された病院において通常期待されるべき適切な治療が施されていれば、高度の蓋然性をもって救命されていたときには、当該交通事故と当該医療事故とのいずれもが、その者の死亡という不可分の一個の結果を招来し、この結果について相当因果関係がある。したがって、当該交通事故における運転行為と当該医療事故における医療行為とは共同不法行為に当たり、各不法行為者は共同不法行為の責任を負う。

【正解】4

問題35_民法(親族)

氏に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア 甲山太郎と乙川花子が婚姻届に署名捺印した場合において、慣れ親しんだ呼称として婚姻後もそれぞれ甲山、乙川の氏を引き続き称したいと考え、婚姻後の氏を定めずに婚姻届を提出したときは、この婚姻届は受理されない。
イ 夫婦である乙川太郎と乙川花子が離婚届を提出し受理されたが、太郎が慣れ親しんだ呼称として、離婚後も婚姻前の氏である甲山でなく乙川の氏を引き続き称したいと考えたとしても、離婚により復氏が確定し、離婚前の氏を称することができな
い。
ウ 甲山太郎を夫とする妻甲山花子は、夫が死亡した場合において、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって婚姻前の氏である乙川を称することができる。
エ 夫婦である甲山花子と甲山太郎の間に出生した子である一郎は、両親が離婚をして、母花子が復氏により婚姻前の氏である乙川を称するようになった場合には、届け出ることで母と同じ乙川の氏を称することができる。
オ 甲山花子と、婚姻により改氏した甲山太郎の夫婦において、太郎が縁組により丙谷二郎の養子となったときは、太郎および花子は養親の氏である丙谷を称する。

1 ア・イ 2 ア・ウ 3 イ・エ 4 ウ・オ 5 エ・オ

【正解】2

問題36_商法(商行為)

商行為の代理人が本人のためにすることを示さないでこれをした場合であって、相手方が、代理人が本人のためにすることを知らなかったときの法律関係に関する次の記述のうち、商法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。なお、代理人が本人のためにすることを知らなかったことにつき、相手方に過失はないものとする。

1 相手方と本人および代理人とのいずれの間にも法律関係が生じ、本人および代理人は連帯して履行の責任を負う。
2 相手方と代理人との間に法律関係が生じ、本人には何らの効果も及ばない。
3 相手方と本人との間に法律関係が生じるが、相手方は代理人に対しても、履行の請求に限り、これをすることができる。
4 相手方と代理人との間に法律関係が生じるが、相手方は本人に対しても、履行の請求に限り、これをすることができる。
5 相手方は、その選択により、本人との法律関係または代理人との法律関係のいずれかを主張することができる。

【正解】5

問題37_商法(会社法_株式会社の設立)

株式会社の設立における出資の履行等に関する次のア~オの記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものの組合せはどれか。

ア 株式会社の定款には、設立に際して出資される財産の価額またはその最低額を記載または記録しなければならない。
イ 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、出資の履行をしなければならないが、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定または移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることができる。
ウ 発起人が出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡 は、成立後の株式会社に対抗することができない。
エ 設立時募集株式の引受人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、出資の履行をしていない引受人に対して、期日を定め、その期日までに当該出資の履行をしなければならない旨を通知しなければならない。
オ 設立時募集株式の引受人が金銭以外の財産により出資の履行をする場合には、発起人は、裁判所に対し検査役の選任の申立てをしなければならない。

1 ア・イ 2 ア・オ 3 イ・ウ 4 ウ・エ 5 エ・オ

【正解】5

問題38_商法(会社法_株式の権利)

公開会社の株主であって、かつ、権利行使の 6 か月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主のみが権利を行使できる場合について、会社法が定めているのは、次の記述のうちどれか。

1 株主総会において議決権を行使するとき
2 会計帳簿の閲覧請求をするとき
3 新株発行無効の訴えを提起するとき
4 株主総会の決議の取消しの訴えを提起するとき
5 取締役の責任を追及する訴えを提起するとき

【正解】5

問題39_商法(会社法_取締役会)

取締役会設置会社(指名委員会等設置会社および監査等委員会設置会社を除く。)の取締役会に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものの組合せはどれか。なお、定款または取締役会において別段の定めはないものとする。

ア 取締役会は、代表取締役がこれを招集しなければならない。
イ 取締役会を招集する場合には、取締役会の日の 1 週間前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役および各監査役)に対して、取締役会の目的である事項および議案を示して、招集の通知を発しなければならない。
ウ 取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行う。
エ 取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。
オ 取締役会の決議に参加した取締役であって、取締役会の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。

1  ア・イ
2  ア・オ
3  イ・ウ
4  ウ・エ
5  エ・オ

【正解】1

問題40_商法(会社法_非公開会社)

公開会社でない株式会社で、かつ、取締役会を設置していない株式会社に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものはどれか。

1  株主総会は、会社法に規定する事項および株主総会の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議することができる。
2  株主は、持株数にかかわらず、取締役に対して、当該株主が議決権を行使することができる事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。
3  株式会社は、コーポレートガバナンスの観点から、 2 人以上の取締役を置かなければならない。
4  株式会社は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができる。
5  取締役が、自己のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするときは、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。

【正解】3

問題41_憲法(人権_表現の自由)

次の文章は、NHK が原告として受信料の支払等を求めた事件の最高裁判所判決の一節である。空欄 ア ~ エ に当てはまる語句を、枠内の選択肢( 1 ~20)から選びなさい。

放送は、憲法 21 条が規定する表現の自由の保障の下で、国民の知る権利を実質的に充足し、健全な民主主義の発達に寄与するものとして、国民に広く普及されるべきものである。放送法が、「放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること」、「放送の不偏不党、真実及び ア を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」及び「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」という原則に従って、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的として( 1 条)制定されたのは、上記のような放送の意義を反映したものにほかならない。
上記の目的を実現するため、放送法は、・・・旧法下において社団法人日本放送協会のみが行っていた放送事業について、公共放送事業者と民間放送事業者とが、各々その長所を発揮するとともに、互いに他を啓もうし、各々その欠点を補い、放送により国民が十分福祉を享受することができるように図るべく、 イ を採ることとしたものである。そして、同法は、 イ の一方を担う公共放送事業者として原告を設立することとし、その目的、業務、運営体制等を前記のように定め、原告を、民主的かつ ウ 的な基盤に基づきつつ ア 的に運営される事業体として性格付け、これに公共の福祉のための放送を行わせることとしたものである。
放送法が、・・・原告につき、 エ を目的として業務を行うこと及び他人の営業に関する広告の放送をすることを禁止し・・・、事業運営の財源を受信設備設置者から支払われる受信料によって賄うこととしているのは、原告が公共的性格を有することをその財源の面から特徴付けるものである。
(最大判平成 29 年 12 月 6 日民集 71 巻 10 号 1817 頁)

1 国営放送制 2 党利党略   3 政府広報  4 特殊利益
5 良心    6 自由競争体制 7 品位    8 誠実
9 自律   10 二本立て体制 11 多元    12 国際
13 娯楽   14 全国     15 地域    16 部分規制
17 集中   18 免許制    19 自主管理 20 営利

【正解】アー9、イー10、ウー11、エー20

問題42_行政法(不利益処分と裁量権)

次の文章の空欄 ア ~ エ に当てはまる語句を、枠内の選択肢( 1 ~20)から選びなさい。

行政手続法は、行政運営における ア の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することをその目的とし( 1 条 1 項)、行政庁は、 イ 処分をするかどうか又はどのような イ 処分とするかについてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準である ウ ( 2 条 8 号ハ)を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならないものと規定している(12 条 1 項)。上記のような行政手続法の規定の文言や趣旨等に照らすと、同法 12 条 1 項に基づいて定められ公にされている ウ は、単に行政庁の行政運営上の便宜のためにとどまらず、 イ 処分に係る判断過程の ア と透明性を確保し、その相手方の権利利益の保護に資するために定められ公にされるものというべきである。
したがって、行政庁が同項の規定により定めて公にしている ウ において、先行の処分を受けたことを理由として後行の処分に係る量定を加重する旨の イ な取扱いの定めがある場合に、当該行政庁が後行の処分につき当該 ウ の定めと異なる取扱いをするならば、 エ の行使における ア かつ平等な取扱いの要請や基準の内容に係る相手方の信頼の保護等の観点から、当該 ウ の定めと異なる取扱いをすることを相当と認めるべき特段の事情がない限り、そのような取扱いは エ の範囲の逸脱又はその濫用に当たることとなるものと解され、この意味において、当該行政庁の後行の処分における エ は当該 ウ に従って行使されるべきことがき束されており、先行の処分を受けた者が後行の処分の対象となるときは、上記特段の事情がない限り当該 ウ の定めにより所定の量定の加重がされることになるものということができる。
以上に鑑みると、行政手 続法 12 条 1 項の規定により定められ公にされている ウ において、先行の処分を受けたことを理由として後行の処分に係る量定を加重する旨の イ な取扱いの定めがある場合には、上記先行の処分に当たる処分を受けた者は、将来において上記後行の処分に当たる処分の対象となり得るときは、上記先行の処分に当たる処分の効果が期間の経過によりなくなった後においても、当該 ウ の定めにより上記の イ な取扱いを受けるべき期間内はなお当該処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有 するものと解するのが相当である。
(最三小判平成 27 年 3 月 3 日民集 69 巻 2 号 143 頁)

1 処分基準  2 合理的  3 衡平    4 適正    5 迅速性
6 公正   7 利益   8 侵害    9 授益    10 不平等
11 審査基準 12 不利益  13 解釈基準 14 行政規則 15 法規命令
16 解釈権  17 判断権  18 処分権   19 裁量権  20 決定権

【正解】アー6、イー12、ウー1、エー19

問題43_行政法(行政事件訴訟法)

次の文章の空欄 ア ~ エ に当てはまる語句を、枠内の選択肢( 1 ~20)から選びなさい。

行政事件訴訟法は、行政事件訴訟の類型を、抗告訴訟、 ア 訴訟、民衆訴訟、機関訴訟の 4 つとしている。
抗告訴訟は、公権力の行使に関する不服の訴訟をいうものとされる。処分や裁決の取消しを求める取消訴訟がその典型である。
ア 訴訟には、 ア 間の法律関係を確認しまたは形成する処分・裁決に関する訴訟で法令の規定によりこの訴訟類型とされる形式的 ア 訴訟と、公法上の法律関係に関する訴えを包括する実質的 ア 訴訟の 2 種類がある。後者の例を請求上の内容に性質に照らして見ると、国籍確認を求める訴えのような確認訴訟のほか、公法上の法律関係に基づく金銭の支払を求める訴えのような イ 訴訟もある。
ア 訴訟は、公法上の法律関係に関する訴えであるが、私法上の法律関係に関する訴えで処分・裁決の効力の有無が ウ となっているものは、 ウ 訴訟と呼ばれる。基礎となっている法律関係の性質から、 ウ 訴訟は行政事件訴訟ではないと位置付けられる。例えば、土地収用法に基づく収用裁決が無効であることを前提として、起業者に対し土地の明け渡しという イ を求める訴えは、 ウ 訴訟である。
民衆訴訟は、国または公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟で、選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起するものをいう。例えば、普通地方公共団体の公金の支出が違法だとして エ 監査請求をしたにもかかわらず監査委員が是正の措置をとらない場合に、当該普通地方公共団体の エ としての資格で提起する エ 訴訟は民衆訴訟の一種である。 機関訴訟は、国または公共団体の機関相互間における権限の存否またはその行使に関する紛争についての訴訟をいう。法定受託事務の管理や執行について国の大臣が提起する地方自治法所定の代執行訴訟がその例である。

1 規範統制 2 財務 3 義務付け 4 給付 5 代表
6 前提問題 7 客観 8 差止め 9 未確定 10 職員
11 審査対象 12 争点 13 要件事実 14 当事者 15 主観
16 国家賠償 17 保留 18 住民 19 民事 20 基準

【正解】アー14、イー4、ウー12、エー18

問題44_行政法(行政手続法)

A所有の雑居ビルは、消防法上の防火対象物であるが、非常口が設けられていないなど、消防法等の法令で定められた防火施設に不備があり、危険な状態にある。しかし、その地域を管轄する消防署の署長Yは、Aに対して改善するよう行政指導を繰り返すのみで、消防法 5 条 1 項所定の必要な措置をなすべき旨の命令(「命令」という。)をすることなく、放置している。こうした場合、行政手続法によれば、Yに対して、どのような者が、どのような行動をとることができるか。また、これに対して、Yは、どのような対応をとるべきこととされているか。40 字程度で記述しなさい。

(参照条文) 消防法
第 5 条第 1 項 消防長又は消防署長は、防火対象物の位置、構造、設備又は管理 の状況について、火災の予防に危険であると認める場合、消火、避難その他の 消防の活動に支障になると認める場合、火災が発生したならば人命に危険であ ると認める場合その他火災の予防上必要があると認める場合には、権限を有す る関係者(略)に対し、当該防火対象物の改修、移転、除去、工事の停止又は 中止その他の必要な措置をなすべきことを命ずることができる。(以下略)

【正解】何人も命令を求めることができ、Yは必要な調査を行い必要と認めたときは命令をすべきである。(44字)

問題45_民法(物権_共有物)

Aは、木造 2 階建ての別荘一棟(同建物は、区分所有建物でない建物である。) をBら 4 名と共有しているが、同建物は、建築後 40 年が経過したこともあり、雨漏りや建物の多くの部分の損傷が目立つようになってきた。そこで、Aは、同建物を建て替えるか、または、いくつかの建物部分を修繕・改良(以下「修繕等」といい、解答においても「修繕等」と記すること。)する必要があると考えている。これらを実施するためには、建替えと修繕等のそれぞれの場合について、前記共有者 5 名の間でどのようなことが必要か。「建替えには」に続けて、民法の規定に照らし、下線部について 40 字程度で記述しなさい(「建替えには」は、40 字程度に数 えない。)。
なお、上記の修繕等については民法の定める「変更」や「保存行為」には該当しないものとし、また、同建物の敷地の権利については考慮しないものとする。

【正解】建替えには、共有者全員の合意が必要で、修繕等には各共有者の持分の価格の過半数での決定が必要である。(43字)

問題46_民法(債権_第三者のための契約)

Aは、自己所有の時計を代金 50 万円でBに売る契約を結んだ。その際、Aは、Cから借りていた 50 万円をまだ返済していなかったので、Bとの間で、Cへの返済方法としてBがCに 50 万円を支払う旨を合意し、時計の代金 50 万円はBがCに直接支払うこととした。このようなA・B間の契約を何といい、また、この契約に基づき、Cの上記 50 万円の代金支払請求権が発生するためには、誰が誰に対してどのようなことをする必要があるか。民法の規定に照らし、下線部について 40 字 程度で記述しなさい。

【正解】第三者のためにする契約といい、CがBに契約の利益を享受する意思を表示することが必要。(42字)

問題47_ 一般知識(政治_日中関係)

次の各年に起こった日中関係に関する記述のうち、妥当なものはどれか。

1 1894 年に勃発した日清戦争は、翌年のポーツマス条約で講和が成立した。それによれば、清は台湾の独立を認める、清は遼東半島・澎湖諸島などを日本に割譲す テールる、清は日本に賠償金 2 億 両 を支払う、などが決定された。
2 1914 年の第一次世界大戦の勃発を、大隈重信内閣は、日本が南満州の権益を保持し、中国に勢力を拡大する好機とみて、ロシアの根拠地であるハルビンなどを占領した。1915 年には、中国の袁世凱政府に「二十一カ条要求」を突き付けた。
3 1928 年に関東軍の一部は、満州軍閥の張作霖を殺害して、満州を占領しようと した。この事件の真相は国民に知らされず、「満州某重大事件」 と呼ばれた。田中 義一内閣や陸軍は、この事件を日本軍人が関与していないこととして、処理しようとした。
4 1937 年の盧溝橋事件に対して、東条英機内閣は不拡大方針の声明を出した。しかし、現地軍が軍事行動を拡大すると、それを追認して戦線を拡大し、ついに、宣戦布告をして日中戦争が全面化していった。
5 1972 年に佐藤栄作首相は中華人民共和国を訪れ、日中共同宣言を発表して、日中の国交を正常化したが、台湾の国民政府に対する外交関係をとめた。さらに、 1978 年に田中角栄内閣は、日中平和友好条約を締結した。

【正解】3

問題48_ 一般知識(政治_女性の政治参加)

女性の政治参加に関する次の文章の空欄 ア ~ オ に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。

日本において女性の国政参加が認められたのは、 ア である。その最初の衆議院議員総選挙の結果、39 人の女性議員が誕生した。それから時を経て、2017 年末段階での衆議院議員の女性比率は イ である。列国議会同盟(IPU)の資料によれば、2017 年末の時点では、世界 193 か国のうち、下院または一院制の議会における女性議員の比率の多い順では、日本はかなり下の方に位置している。
また、国政の行政府の長(首相など)について見ると、これまで、イギリス、ドイ ツ、 ウ 、インドなどで女性の行政府の長が誕生している。しかし、日本では、女性の知事・市区町村長は誕生してきたが、女性の首相は誕生していない。
2018 年には、「政治分野における エ の推進に関する法律」が公布・施行され、 衆議院議員、参議院議員及び オ の議会の議員の選挙において、男女の候補者の数ができる限り均等になることを目指すことなどを基本原則とし、国・地方公共団体の責務や、政党等が所属する男女のそれぞれの公職の候補者の数について目標を定めるなど自主的に取り組むように努めることなどが、定められた。

    ア       イ     ウ     エ      オ
1 第二次世界大戦後  約 3 割  アメリカ  男女機会均等  都道府県
2 第二次世界大戦後  約 1 割  タイ    男女共同参画  地方公共団体
3 大正デモクラシー期 約 3 割  ロシア   男女共同参画  都道府県
4 第二次世界大戦後  約 1 %  中国    女性活躍    地方公共団体
5 大正デモクラシー期 約 1 割  北朝鮮   男女機会均等  都道府県

【正解】2

問題49_ 一般知識(政治_行政改革)

次の各時期になされた国の行政改革の取組に関する記述のうち、妥当でないものはどれか。

1 1969 年に成立したいわゆる総定員法* 1 では、内閣の機関ならびに総理府および各省の所掌事務を遂行するために恒常的に置く必要がある職に充てるべき常勤職員の定員総数の上限が定められた。
2 1981 年に発足したいわゆる土光臨調(第 2 次臨時行政調査会)を受けて、1980 年代には増税なき財政再建のスローガンの下、許認可・補助金・特殊法人等の整理 合理化や、 3 公社(国鉄・電電公社・専売公社)の民営化が進められた。
3 1990 年に発足したいわゆる第 3 次行革審(第 3 次臨時行政改革推進審議会)の答申を受けて、処分、行政指導、行政上の強制執行、行政立法および計画策定を対象とした行政手続法が制定された。
4 1998 年に成立した中央省庁等改革基本法では、内閣機能の強化、国の行政機関の再編成、独立行政法人制度の創設を含む国の行政組織等の減量・効率化などが規定された。
5 2006 年に成立したいわゆる行政改革推進法* 2 では、民間活動の領域を拡大し簡素で効率的な政府を実現するため、政策金融改革、独立行政法人の見直し、特別会計改革、総人件費改革、政府の資産・債務改革などが規定された。
(注) * 1 行政機関の職員の定員に関する法律
2 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律

【正解】3

問題50_ 一般知識(社会_雇用・労働)

日本の雇用・労働に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

ア 日本型雇用慣行として、終身雇用、年功序列、職能別労働組合が挙げられていたが、働き方の多様化が進み、これらの慣行は変化している。
イ 近年、非正規雇用労働者数は増加する傾向にあり、最近では、役員を除く雇用者 全体のおおよそ 4 割程度を占めるようになった。
ウ 兼業・副業について、許可なく他の企業の業務に従事しないよう法律で規定されていたが、近年、人口減少と人手不足の中で、この規定が廃止された。
エ いわゆる働き方改革関連法により、医師のほか、金融商品開発者やアナリスト、コンサルタント、研究者に対して高度プロフェッショナル制度が導入され、残業や休日・深夜の割増賃金などに関する規制対象から外されることとなった。 オ いわゆる働き方改革関連法により、年次有給休暇が年 10 日以上付与される労働者に対して年 5 日の年次有給休暇を取得させることが、使用者に義務付けられ た。

(注) * 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律

1 ア・ウ 2 ア・エ 3 イ・ウ 4 イ・オ 5 エ・オ

【正解】4

問題51_ 一般知識(経済_経済用語)

経済用語に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 信用乗数(貨幣乗数)とは、マネーストックがベースマネーの何倍かを示す比率であり、その値は、預金準備率が上昇すると大きくなる。
2 消費者物価指数とは、全国の世帯が購入する各種の財・サービスの価格の平均的な変動を測定するものであり、基準となる年の物価を 100 として指数値で表わす。
3 完全失業率とは、就労を希望しているにもかかわらず働くことができない人の割合であり、その値は、失業者数を総人口で除して求められる。
4 労働分配率とは、労働者間で所得がどのように分配されたのかを示した値であり、その値が高いほど、労働者間の所得格差が大きいことを示す。
5 国内総支出とは、一国全体で見た支出の総計であり、民間最終消費支出、国内総資本形成、政府最終消費支出および輸入を合計したものである。

【正解】2

問題52_ 一般知識(社会_元号)

元号制定の手続に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 元号は、憲法に基づいて内閣総理大臣が告示で定める。
2 元号は、皇室典範に基づいて天皇が布告で定める。
3 元号は、法律に基づいて内閣が政令で定める。
4 元号は、法律に基づいて天皇が勅令で定める。
5 元号は、慣習に基づいて皇室会議が公示で定める。

【正解】3

問題53_ 一般知識(社会_廃棄物処理)

日本の廃棄物処理に関する次のア~オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

ア 廃棄物処理法*では、廃棄物を、産業廃棄物とそれ以外の一般廃棄物とに大きく区分している。
イ 家庭から排出される一般廃棄物の処理は市区町村の責務とされており、排出量を抑制するなどの方策の一つとして、ごみ処理の有料化を実施している市区町村がある。
ウ 産業廃棄物の処理は、排出した事業者ではなく、都道府県が行うこととされており、排出量を抑制するために、産業廃棄物税を課す都道府県がある。
エ 産業廃棄物の排出量増大に加えて、再生利用や減量化が進まないことから、最終処分場の残余容量と残余年数はともに、ここ数年で急減している。
オ 一定の有害廃棄物の国境を越える移動およびその処分の規制について、国際的な枠組みおよび手続等を規定したバーゼル条約があり、日本はこれに加入している。

(注) * 廃棄物の処理及び清掃に関する法律

1 ア・イ 2 ア・オ 3 イ・ウ 4 ウ・エ 5 エ・オ

【正解】4

問題54_ 一般知識(情報通信_用語)

情報や通信に関する次のア~オの記述にふさわしい略語等の組合せとして、妥当なものはどれか。

ア 現実ではないが、実質的に同じように感じられる環境を、利用者の感覚器官への刺激などによって人工的に作り出す技術
イ 大量のデータや画像を学習・パターン認識することにより、高度な推論や言語理解などの知的行動を人間に代わってコンピュータが行う技術
ウ ミリ波などの高い周波数帯域も用いて、高速大容量、低遅延、多数同時接続の通信を可能とする次世代無線通信方式
エ 人が介在することなしに、多数のモノがインターネットに直接接続し、相互に情報交換し、制御することが可能となる仕組み
オ 加入している会員同士での情報交換により、社会的なつながりを維持・促進することを可能とするインターネット上のサービス

  ア  イ  ウ  エ  オ
1 SNS IoT  5G  VR  AI
2 SNS AI  5G  VR  IoT
3 VR   5G  AI  SNS  IoT
4 VR   5G  AI   IoT  SNS
5 VR  AI  5G  IoT  SNS

【正解】5

問題55_ 一般知識(情報通信_通信の秘密)

通信の秘密に関する次のア~オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

ア 通信の秘密を守る義務を負うのは電気通信回線設備を保有・管理する電気通信事業者であり、プロバイダなど他の電気通信事業者の回線設備を借りている電気通信事業者には通信の秘密保持義務は及ばない。
イ 電気通信事業者のみならず、通信役務に携わっていない者が通信の秘密を侵した場合にも、処罰の対象となる。
ウ 通信傍受法*によれば、薬物関連、銃器関連、集団密航関連など特定の犯罪に限り、捜査機関が裁判所の令状なしに通信の傍受をすることが認められる。
エ 刑事施設の長は、通信の秘密の原則に対する例外として、受刑者が発受信する信書を検査し、その内容によっては差止めをすることができる。
オ 通信の秘密には、通信の内容のみならず、通信当事者の氏名・住所、通信日時、通信回数も含まれる。
(注) * 犯罪捜査のための通信傍受に関する法律

1 ア・イ 2 ア・ウ 3 イ・エ 4 ウ・オ 5 エ・オ

【正解】2

問題56_ 一般知識(情報通信_アナログ方式)

放送または通信の手法に関する次のア~オのうち、主としてアナログ方式で送られているものの組合せとして、妥当なものはどれか。

ア AM ラジオ放送
イ 公衆交換電話網
ウ ISDN
エ 無線 LAN
オ イーサネット

1 ア・イ 2 ア・エ 3 イ・オ 4 ウ・エ 5 ウ・オ

【正解】1

問題57_ 一般知識(個人情報保護)

個人情報保護委員会に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。

1 個人情報保護委員会は、総務大臣、経済産業大臣および厚生労働大臣の共管である。
2 個人情報保護委員会は、法律の施行に必要な限度において、個人情報取扱事業者に対し、必要な報告または資料の提出を求めることができる。
3 個人情報保護委員会の委員長および委員は、在任中、政党その他の政治団体の役員となり、または積極的に政治運動をしてはならない。
4 個人情報保護委員会は、認定個人情報保護団体*が法律の定める認定取消要件に該当する場合には、その認定を取り消すことができる。
5 個人情報保護委員会の委員長、委員、専門委員および事務局の職員は、その職務を退いた後も、職務上知ることのできた秘密を漏らし、または盗用してはならない。

(注) * 認定個人情報保護団体とは、個人情報の適正な取扱いの確保を目的として、個人情報保護委員会の認定(個人情報の保護に関する法律 47 条)を受けた団体を指す。

【正解】1

問題58_ 一般知識(文章理解)

著作権の関係から掲載していません。

【正解】2

問題59_ 一般知識(文章理解)

著作権の関係から掲載していません。

【正解】3

問題60_ 一般知識(文章理解)

著作権の関係から掲載していません。

【正解】2

-法律

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