実際に、僕の本棚にあるものをここでは紹介します。
本棚の中でも自慢の本を選抜しました。
社会
福祉を志す人、必読です。
- 現代社会福祉の古典とも言える名著。
- 「あとがき」には、何度も何度も読み返す価値と重みのある著者のメッセージがある。以下に一部を引用。
誰かに自己責任を押し付け、それで何かの答えが出たような気分になるのは、もうやめよう。お金がない、財源がないなどという言い訳を真に受けるのは、もうやめよう。そんなことよりも、人間が人間らしく再生産される社会を目指すほうが、はるかに重要である。社会がそこにきちんとプライオリティ(優先順位)を設定すれば、自己責任だの財源論だとのいったことは、すぐに誰も言い出せなくなる。そんな発言は、その人が人間らしい労働と暮らしの実現を軽視している証だということが明らかになるからだ。そんな人間に私たちの労働と生活を、賃金と社会保障を任せられるわけがない。そんな経営者や政治家には、まさにその人たちの自己責任において、退場願うべきである。主権は、私たちに在る。 (「反貧困」湯浅誠)
「伝説の東大講義」が体感できます。
- ライブに参加をしているように読み進めることができます。
- 著者の熱いメッセージから、社会の見え方が変わるかもしれません。
- 大学生や新社会人には、絶対に読んで欲しいと思える一冊です。
伊藤博文の記録を抜こう 僕はですね、18歳ぐらいの人だったら、今から気合を入れれば、伊藤博文の記録を破って30代で首相になれる可能性は十分にあると思っているんですよ。 最年少記録は、初代首相の伊藤博文で、44歳です。 (中略) 笑っていますけど、僕はけっこう本気で言っていてですね。 「自分はできないな」と思う人もいるでしょうけれど、だったら、見込みのありそうな人を応援すればいいじゃないですか。 (「2020年6月30日にまたここで会おう」瀧本哲史)
地方自治
「地方を変え、社会を変える」を実践するためには?
- なぜ、高島市長は「住民から信頼される」のか?その答えが見つかります。
- できる政治家は「ビジョンを描く」力に長けています。田中角栄と高島宗一郎に共通する点とは?
- 福岡市が最強の地方都市になるために何をしたのか、また何を目指しているのかがわかります。
麻生太郎先生とはじめてお会いしたのもこの頃です。 (中略)どかっとソファに座って、あの独特のだみ声、べらんめえ調で唐突にこう聞かれました。 「市長になることが目的ではなくて、それを手段として何をやりてえかってところが大事なんであって・・・それでおめえは、市長になって何がやりてえんだ?」 私は「福岡をアジアのリーダー都市にしたいんです」と私が目指す福岡市のビジョンを訴えました。 (「福岡市を経営する」高島宗一郎)
行政には規制をする権限がありますが、規制を緩和する権限もあります。 それを戦略的に使うことで、民間企業側にも大きなメリットが生まれるため、行政のお金(税金)を使わずとも、民間の力で再開発を進めることが可能となります。 (「日本を最速で変える方法」高島宗一郎)
公務員が「楽しく働く」と「住民の幸せ」になる?!
- 公務員は楽しく働いても、無気力に働いても給料は変わりません。であれば、同じ時間「楽しく働く」方が充実した公務員ライフが送れるのではないでしょうか?「楽しく働く」ヒントが散りばめられているのが、本書です。
- 仕事を楽しんで、住民から怒られはしないか・・・?いや、楽しんで仕事をする公務員が多いまちこそ、住民みんなが幸せになるのです。嶋田先生はそのことを証明してくださいました。
旅人が街を歩いていると、レンガを積んでいる職人がいた。 旅人は聞いた。「何をしているんですか?」 すると、その職人は答えた。「見りゃわかるだろう?レンガを積んでいるんだよ!」 しばらく歩くと、再び、レンガを積んでいる別の職人に出会った。 (中略)「見りゃわかるだろう?壁を作ってるんだよ」 さらに歩くと、またもやレンガを積んでいる職人がいた。 (中略)「家を作っているんだよ」 旅人が歩いていると、またまた別の職人がレンガを積んでいた。 (中略)「まちをつくっているんだよ」 (中略) 「与えられた仕事をこなす」(=「レンガ」を積むだけ)という意識で仕事をしてしまってはいないでしょうか? もしそうだとしたら、せっかく公務員になったのに、実にもったいないことだと思います。ぜひ「原点」をいま一度思い起こしてください。 (「みんなが幸せになるための公務員の働き方」嶋田暁文)
財政破綻し、病院のなくなった夕張市民は健康になった?
- 過剰行政、過剰福祉に待ったをかける夕張市の革命的な事例が書かれています。
- 本書の視点を持てば、政策議論であなたの右に出るものはいなくなります。
無くてはならないものの代表格である『病院』。夕張は病院がなくなっても、みんな元気でした。爺ちゃん婆ちゃんたちは『人事を尽くして天命を待つ』覚悟を持っていましたし、『きずな貯金』がしっかり蓄えられているため地域全体でお互いに見守り合う体制が自然に出来上がっていました。その結果として、『病院』がなくなっても健康を害することなく、知らないうちに医療費は安くなっちゃったのです。 (「破綻からの奇蹟〜いま夕張市民から学ぶこと〜」森田洋之)
地域とは何か?根源的な問いへの接近。
- 漫然とした地域振興策に対するアンチテーゼで、一流学者の思考が垣間見れる良書。
- 現場こそ最重要と再認識させられる、一流学者の「地域の歩き方」が描かれています。
地域振興の目標は、どんなものであればよいか。これについては、基本的には地域住民が決めるしかない。しかし、あえて示唆を述べるならば、「他から必要とされる地域」および「持続可能で人権が守られる地域」という目標の立て方がありうると思う。 (「地域をまわって考えたこと」小熊英二)
法律
本書を読まずに憲法は語れない?!
- 憲法の見方が180度変わります。
- 読了後、憲法を語れるようになれます。
- 憲法の本質が見えてきます。
憲法とは国民に向けて書かれたものではない。誰のために書かれたものかといえば、国家権力すべてを縛るために書かれたものです。司法、行政、立法・・・これらの権力に対する命令が、憲法に書かれている。 国家権力というのは、恐ろしい力を持っている。警察だって軍隊だって動かすことができる。そんな怪物のようなものを縛るための、最強の鎖が憲法というわけです。 したがって、憲法に違反することができるのは国家だけ。 このあたりが日本人には、まったく理解できていませんね。 (「日本人のための憲法原論」小室直樹)
著名事件を多数手掛けてきた「無罪請負人」のリアルな舞台裏が明らかに。
- 民事訴訟、刑事訴訟、行政訴訟と取り扱う事件の幅の広さが弘中弁護士の魅力でもあります。
- 読者の知的好奇心を駆り立て、法律学習も捗る一冊。法律家を目指す人は必読。
- 小澤一郎事件からカルロス・ゴーン事件まで舞台裏がリアルかつエキサイティングに描かれています。
「弁護士」とは何か。 国家権力と対峙して、人権抑圧されている人の側に立ち、その人の権利を擁護するー。弁護士というのは、本来そういうものではないかと私は思う。中国での人権派弁護士に対する国家権力による凄まじい迫害を見ると、簡単なことではないが、基本は同じだと思う。 権力とは一線を画す、これが弁護士の生き方のはずである。 (「生涯弁護人 事件ファイル1」弘中惇一郎)
「カルロス・ゴーン事件」の本質は、彼がレバノンでの記者会見で述べた、「日本では公正な裁判が受けられない」という点であることを、忘れてはならない。 この事件は、「人質司法」と言われる日本の刑事裁判の在り方が、世界中から批判される問題となった。(中略)「カルロス・ゴーン事件」は、日本の刑事裁判の在り方を考えるうえで、きわめて重要な事件なのである。 (中略) これについては、本書第五章で詳しく述べている。読者諸氏は、「カルロス・ゴーン事件」が自分が思っていた事件とはまったく異なるものだったことに驚くであろう。 (「生涯弁護人 事件ファイル2」弘中惇一郎)
「法律をつくっても、世の中が変わらない」のはなぜか?そんな問いに接近する、今なお新鮮な川島教授の指摘です。
ノーベル賞学者の発明の対価を争った訴訟で、808億円の判決をもらい、8億円で和解した裁判の舞台裏が描かれています。一流の学者が司法の問題点も浮き彫りにします。法律家としての方向性を決定づける一冊になるかも?!
政治
政治家は少しぐらい悪いことをしてもいい?!
- ヴェーバーは「政治は政治であって倫理ではない」と言います。
- 日本の現代政治に対するアンチテーゼでもあります。
- 不毛な国会論議がなぜ不毛なのか、ヴェーバーは100年以上前に説いています。
政治にタッチする人間、すなわち手段としての権力と暴力性とに関係をもった者は悪魔の力と契約を結ぶものであること。さらに善からは善のみが、悪からは悪のみが生まれるというのは、人間の行為にとって決して真実ではなく、しばしばその逆が真実であること。これらのことは古代のキリスト教徒でも非常によく知っていた。これが見抜けないような人間は、それこそ政治のイロハもわきまえない未熟児である。 (「職業としての政治」マックス ヴェーバー)
ビジネス
億万長者にあなたもなれる?!
- サラリーマンでいながら資本家になれる?!夢のある話も現実的なものとして解説してくれています。
- 「起業」よりも「事業承継」。「事業承継」のメリット・「起業」のデメリットがわかります。
数年前には飲み代も出せなかった若者が、株式上場して、数百億円の資産を築いていく姿を目の前で見たこともありました。今は煌びやかな活躍をしている社長でも、かつて割り勘で一緒に飲んだり、私が奢ったりした人がたくさんいます。そうやって「あちら側」に替わっていく人たちと日常的に接する中で、「自分にもできるのではないか」と、いい意味で”勘違い”できたことも、私が普通より大きなスケールでものごとを捉えられるようになったポイントだと思います。 つまり、リスクを取れるかどうかです。実際に行動を起こせるか否かです。 (「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門」三戸政和)
売上を減らして、儲かる仕組みとは?
- 短い営業時間で、超ホワイト企業を実現?!
- 「残業ゼロ」「1日100食限定」など飲食の常識を覆す経営手法が描かれています。
・働き方を極限まで絞ることで売上を上げているお店 ・働き方の形は自分の人生に照らし合わせて決めることができる つまり、どれだけ儲かったとしても、「これ以上は売らない」「これ以上は働かない」。あらかじめ決めた量を、時間内でしっかりこなし、最大限の成果を挙げる。そして残りの時間(人生)を自分の好きなように使う、ということ。 飲食店関係者だけでなく、すべての働く人たちに、この2行に集約された佰食屋のビジネスモデル、働き方のすべてを共有したい。そう思い、この本を書きました。 「100食以上売ったら?」 「昼だけでじゃなくて、夜も売ったほうが儲かるのでは?」 たしかに売上は上がるでしょう。 でも、働く時間は増えるのに、給料はあまり変わらない。 会社が儲かっても社員が報われないのはおかしい。 (中略) もう「頑張れ」なんて言いたくない。 わたしは「仕組み」で人を幸せにしたい。 (「売上を、減らそう。たどりついたのは業績至上主義からの解放」中村朱美)
科学
「男よ、いばるな」生物学から社会を見ると、その理由がわかります。
- 生物として「できそこない」だから「社会という逃げ道」を男は作った?!
- 社会での立ち振る舞いも生物学の視点から見れば、「ばかばかしく」なります。
- 「男よ、いばるな」が福岡先生からのメッセージです。
〈生命の基本仕様〉ーそれは女である。本来、すべての生物はまずメスとして発生する。メスは太くて強い縦糸であり、オスは、そのメスの系譜を時々橋渡しし、細い横糸の役割を果たす”使い走り”に過ぎないー。 (「できそこないの男たち」福岡伸一)
今こそ問われる「生物と無生物」のあいだ
- 「生命とは何か?」に最接近することのできる本です。
- 美しい文章に小説よりも引き込まれること間違いありません。
私はここで、シェーンハイマーの発見した生命の動的な状態(dynamic state)という概念をさらに拡張して、動的平衡という言葉を導入したい。この日本語に対応する英語は、dynamic equilibrium(ダイナミック・イクイリブリアム)である。海辺に立つ砂の城は実体としてそこに存在するのではなく、流れが作り出す効果としてそこにある動的な何かである。私は先にこう書いた。その何かとはすなわち平衡ということである。 自己複製するものとして定義された生命は、シェーンハイマーの発見に再び光を当てることによって次のように再定義されることになる。 生命とは動的平衡にある流れである そしてただちに次の問いが立ち上がる。絶え間なく壊される秩序はどのようにしてその秩序を維持しうるのだろうか。それはつまり流れが流れつつも一種のバランスを持った系を保ちうること、つまりそれが平衡状態(イクイリブリアム)を取りうることの意味を問う問いである。 (「生物と無生物のあいだ」福岡伸一)
世界を変えた物理学者のクエスチョン
- DNAの分子構造を発見し、ノーベル賞を受賞したワトソン、クリックにインスピレーションを与えた一冊
- 天才物理学者の生命に対する深い洞察を体感できます。
さて、原子はなぜそんなに小さいのでしょうか? これは確かに一寸ずるい問いです。というのは、今私が問題にしているのは、実は原子の大きさではないからです。今問題になっているのは、実は生物体の大きさ、特に、われわれ自身の身体の大きさなのです。(中略) かくして、われわれの問いの本当の目的は、二つの長さーわれわれの身体の大きさと原子の大きさーの比にあることが見究められたのですから、独立的な存在として原子の方が文句なしに先であることを考えると、先ほどの問いは、本当は次のようになります。われわれの身体は原子にくらべて、なぜ、そんなに大きくなければならないのでしょうか?と。 (「生命とは何か」シュレーディンガー)
学習
試験ではヤマを張るべき?!
- 試験勉強のやり方が変わります。
- 合格への最短距離が見えてきます。
- ギャンブルではない「ヤマ張り」の技術がわかります。
私は合理的にテストに出る「ヤマ」を張っているだけで、「天才」「秀才」どころか、人よりも何かがすぐれているわけではありません。 私は「ヤマ」の分析手法だけで大きく下駄をはいて、これまでの試験に通過してきたと思っています。 (「頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである」鬼頭政人)
10分の書店通いが人生を変える!
- 書店通いを続けるとなぜか、心が整います。
- リラックスできる。アイディアが湧いてくる。それでいて、入店にお金はかからない。こんなにコスパのいい自己投資はありません。
- 自分の家の書棚と勝手に思いましょう。
書店の魅力を再発見する旅に誘ってみたい。基本的に、本書の提案はたった一つ、「1日最低10分、必ず書店へ行こう」だけだ。人類として初めて月に降り立った宇宙飛行士ニール・アームストロング風にいえば、「日常のなかでは小さな10分だが、継続すると偉大な10分になる」ことを約束しよう。 (「10分あれば書店に行きなさい」齋藤孝)