お友達人事とは?
企業・自治体など組織の中で自分の近しい人間を重要なポストに配属させる人事のことです。
お友達人事は、一般的に組織のパフォーマンスを下げると言われています。
企業では売上などの結果として現れるためわかりやすいですが、自治体では売上などの指標がないため結果がわかりにくい現状があります。
メリット・デメリット
お友達人事のメリットとしては、次のものがあげられます。
- 経営陣・執行部にとって都合が良い(反論する人が周囲いない)
お友達人事のデメリットとしては、次のものがあげられます。
- 経営陣・執行部に反論する人がいない(そのため変革・発展しない)
- 組織全体のモチベーションの低下
- 組織の風通しが悪くなる
- 「お友達になること」が目的となる(目的を見失う)
メリット・デメリットでいえば、デメリットの方が多くあります。
お友達人事は「百害あって一利なし」といえます。
お友達人事を防ぐために
お友達人事を防ぐためには、「自分と異なる意見を持ち、意見する人」を評価することが大切です。
お友達人事の事例として、A市役所とB市役所をご紹介します。
A市役所では首長が長期政権を築き、長年、自分の言うことをよく聞く、イエスマンを重要ポストに起用し、お友達人事を繰り返しました。
その結果、若手・中堅の離職が増え、病気休職者も増加するなど、組織としてのパフォーマンスが下がってきています。
その一方で、B市役所では、首長が選挙での政敵を重要ポストに起用しました。
理由は「どっちつかずで自分の意見を持たない人間よりも、対抗馬を推したとしても自分の意見をはっきり言える人間の方がまちのためにはなる」といいます。
重要ポストに起用された職員は、今では政敵であった首長をリスペクトし、期待通り、異なる意見をぶつけ合い、政策形成をしています。
B市役所はA市役所よりも地理的に不利な条件を持っていますが、公務員志願者からはA市役所よりも支持され、倍率も高くなっており、離職率も低いそうです。
重要なことは、自分の利害関係よりもより大きな視点を持つことです。
「どういう人事がまち(会社)のためになるか」を考え、多様な意見を尊重する姿勢が求められます。