法律

「よど号ハイジャック記事抹消事件(最高裁昭和58.6.22)」をわかりやすく解説。

事件の概要

Xらは国際反戦デー闘争等に参加し、凶器準備集合罪等で起訴、

東京拘置所に勾留、収容されていた。

拘置所内でXらは私費で新聞購読をしていた。

拘置所長は、新聞に掲載された「よど号ハイジャック記事」を抹消。

(犯罪手法等が書かれていたことが理由)

Xらは記事抹消処分は違法として、国家賠償請求訴訟を提起。

1審、2審はXらの請求を棄却。

Xらは上告。

判決の概要

上告棄却

  • 閲読の自由が憲法上保障されるべきことは、思想及び良心の自由の不可侵を定めた憲法19条の規定や、表現の自由を保障した憲法21条の規定の趣旨、目的から、いわばその派生原理として当然に導かれる。
  • 閲読の自由は、公共の利益のための必要から、一定の合理的制限を受けることがあることもやむをえない。
  • 記事の抹消について、必要とされる制限の内容及び程度についての所長の判断に裁量権の逸脱又は濫用の違法があつたとすることはできない。

事件・判決のポイント

  • 閲読の自由は憲法上保障される。
  • 未決拘禁者の閲読の自由は秩序維持の観点から制約は可能。

関連条文

憲法

第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

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