事件の概要
74歳の父が棒を手にし、Xに殴りかかった。
Xは自己を防衛するために、その場にあった斧を斧と気付かずに使って、反撃。
頭部を数回殴りつけて、殺害した。
1審、2審とも有罪。
Xは上告。
判決の概要
上告棄却。
- 斧ほどの重さの棒で頭部を乱打したことは、過剰防衛と認めていい。
事件・判決のポイント
Xは、斧で対抗した過剰防衛が行われたことについては、争っていません。
過剰事実を基礎づける事実認識を欠いていたとして、故意の阻却(誤想防衛)を主張しました。
斧を棒と思って使ったのだから、誤想防衛だということです。
これに対して、本判決では、重さは分かっていたはずなので、過剰防衛を認めました。