
地方都市の再開発と聞けば、「未来のまちづくり」という響きにワクワクする人もいるかもしれません。
しかし現実には、完成した施設に人が集まらず、数年で空きテナントばかりというケースが少なくありません。
なぜこうした失敗が繰り返されるのでしょうか。その原因は、「経営感覚のない人が打ち上げ花火をあげるため」に他なりません。
1.「経営感覚のない首長・職員」による巨額投資
多くの再開発事業は、そもそも「商売」として成立しません。
にもかかわらず、行政主導で大型商業施設やイベントホールなどが建設されるのはなぜか。
それは、政治的な成果をアピールしたい首長や、実績を残したい官僚による「打ち上げ花火」のような事業だからです。
しかし、行政は利益回収や市場分析といった民間の感覚に乏しく、投下資本の回収がまったく見込めない事業に突っ込むこともあります。結果として、「予算は使ったけど、まちは変わらない」状況に陥るのです。
2.行政と民間の役割が曖昧なまま進む
失敗する再開発には、行政と民間の役割分担が不明確なケースが多く見られます。行政がハード(施設)だけでなくソフト(運営)にも手を出し、結局うまくいかない。民間事業者からすれば、行政の意図が不明確で参入しづらく、事業リスクも高まります。
行政の本来の役割は「規制緩和」「仕組みづくり」「リスク分散」であり、実際の運営や収益化は民間が担うべきです。そこを見誤ると、無理に行政が前に出て、結果的に誰も責任を取らない失敗事業ができあがってしまいます。
3.「地味な積み重ね」がまちの魅力をつくる
再開発成功のカギは、派手な施設やイベントではありません。地道に続けてきた取り組みの積み重ねが、やがて地域の魅力につながるのです。地元の商店主や住民と連携し、「今ある資源」を活かした再開発こそが、本当に意味のあるまちづくりといえるでしょう。
オリジナリティのあるまちは、上からの命令で一気に作れるものではありません。行政は「できること」に集中し、民間と役割を分けながら、着実に歩を進めていくことが求められています。