先日、市内中山間地に居住する方に話を聞く機会がありました。
その方は、市街地から30キロほど離れた地域に暮らしている50代の人です。
かつて、その人の暮らす集落は若い世代や子どももたくさんいたということですが、今ではかなり高齢化が進んでいると言います。
20軒ほどある家の約半数弱が空き家になっており、過疎化も進んでいると言います。
ただし、その集落に住んでいる人は誰も困っていないと言うのです。
同じような話が、小熊英二氏の著書「地域をまわって考えたこと」の中でも書かれています。
むしろ、困っているのは、過疎高齢化を解決するために進める行政の移住定住策です。
移住をすすめ、若い世代が都会から来る分には良いのですが、彼らが地域で馴染めないというのです。
「地域を持続させよう」という地域の実態を知らない行政の「いらん世話」になっているのです。
行政がするべきは、まずは、地域で暮らす人たちの権利を尊重することです。
地域の実情に合わない頭でっかちな押し付け策はやめた方が良いです。