コラム

法律人間が住民を苦しめる?!

法律人間は視野が狭い

「法律大好き人間」は役所内に少なからず存在します。

「法律大好き人間」は法律を答えとし、

法律はいつも正しいと信じているのです。

住民を苦しめる法律人間

市内にある広大な施設を有する滞納者のところに行き、

捜索、差押えを実施した時のことです。

その施設経営者は、広大な土地と建物を持っているが、

経営が悪化し、ここ何年も銀行の借金は滞り、

固定資産税の支払いができていませんでした。

生活状況を聞き取ると、

家族で生活していくのが苦しいと言います。

しかし、差押えに入った徴収吏員たちはあるものを片っ端から調べ上げ、

なけなしの数千円を取って行くのです。

後日、差押えの担当者に「なぜあそこまでするのか?」

「最低限の生活は守れないのか?」と質問しました。

すると、次のような回答が返ってきました。

「国税徴収法に、差押えができると書いています。何が悪いんですか?」

全く悪気なくこういったことを言うのです。

たしかに国税徴収法第47条は以下のとおりである。

第47条(差押の要件) 

次の各号の一に該当するときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押えなければならない。

一 滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないとき。

二 納税者が国税をその納期限までに完納しないとき。

法律はしばしばバッティングする

しかし、法律はしばしばバッティングします。

第47条にはそう書いてあっても、

他のところには差押禁止の要件が書いてあったりします。

ましてや、憲法では最低限度の生活を営む権利が保障されています。

自分にとって(自分の業務にとって)都合のよい法律を根拠に、

その条文解釈をすれば、本ケースのような対応になります。

しかしそれでは、その滞納者の生活を苦しめて、終わりです。

根本的な解決にはまるでつながりません。

差押えに入った以上、手ぶらで帰るわけにはいかないというのであれば、

差押えに入る前に十分調査をし、

話し合って、生活再建するための手段を一緒になって考えるべきではないでしょうか?

住民一人ひとりを大切にするまちと言葉では言っているが、

程遠い現実があります。

このような違法な公権力の行使は、

本件だけでなく全国各地で行われています。

公務員のリテラシーが向上することを祈るばかりです。

【結論】法律はしばしばバッティングする。自分に都合の良い法律の解釈は時として住民を苦しめることになる。

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