条文
第百九十七条 捜査については、その目的を達するため必要な取調をすることができる。但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、これをすることができない。
わかりやすく
捜査は、必要な取調べをすることができる。
ただし、逮捕をする時のように、強制の処分は、この法律に定めてある場合以外は、できない。
ということです。
解説
「強制の処分」の定義は、
「個人の意思を制圧し、身体、住居、財産等の重要な権利・利益に実質的な制約を加えて、強制的に捜査目的を実現する行為」
のようになります。
具体的に言うと、警察官などが、無理矢理逮捕したり、家の中を調べたり、持ち物を取ったりすることです。
「この法律に特別の定のある場合」というのは、例えば「現行犯逮捕(213条)」などになります。
第二百十三条 現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。
とあります。
本条文を振り返ると、
捜査において、必要な取調べはオッケー。
ただし、強制的な取調べはダメ。
現行犯逮捕など法律にあればオッケー。
ということになります。
捜査については、任意捜査と強制捜査に区別されます。
以下、まとめます。
任意捜査 | 強制捜査 | |
意味 | 出頭要求や任意同行など強制ではない、任意の捜査のこと。 | 逮捕・勾留などの身柄確保や捜索・押収などの証拠物の押収について、該当者の意思に関わりなく行う捜査のこと。 |
必要条件 | 特になく、許容される。 ただし、捜査比例の原則が妥当する。 ※「捜査比例の原則」とは、捜査の必要性がなければならないとする原則のこと。 | 原則、令状が必要。 |