条文
第百九十四条
占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。
わかりやすく
占有者が、盗品などをそれと知らずに買った時は、被害者は、占有者が買った時のお金を払わなければ、返してもらうことができない。
ということです。
解説
本条文の趣旨は、占有者と被害者との保護のバランスを取ることにあります。
被害者保護の視点でいくと盗品は返してもらわなければなりません。
しかし、それでは占有者の地位が不安定になってしまいます。
占有者保護の視点でいくと善意での売買が成立していないと安心して経済活動ができません。
なので、ここでは、被害者はお金を払って、占有者から盗品を返してもらい、
その後、加害者にお金を請求するということになります。