
役所で働く公務員と聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
真面目で堅実、規則を重んじる。もちろん、そういった側面も多々あります。
しかし、その一方で「事務処理ロボット」とでも呼ぶべき、ある種の公務員たちが存在することをご存知でしょうか。
彼らはまるでプログラムされたかのように事務をこなし、時に周囲を困惑させることもあります。
今回は、そんな事務処理ロボット公務員の生態に迫ってみましょう。
事務処理ロボット公務員の生態:完璧なマニュアル人間
事務処理ロボット公務員は、その名の通り「事務処理」に特化した存在です。
彼らの仕事ぶりは非常に事務的で、感情を交えることはほとんどありません。
彼らの特徴としてまず挙げられるのが、「できない理由探し」の達人であること。何か新しい提案や改善策を提示しても、彼らの口から返ってくるのは「前例がない」「規則にない」「予算がない」といったネガティブな言葉ばかり。
どうすれば実現できるかを考えるよりも、いかにできないかを論理的に、そして迅速に説明する能力に長けています。
また、「木を見て森を見ず」という言葉がぴったり当てはまります。全体像を把握することよりも、目の前の細かな作業や規則の遵守に全力を注ぎます。例えば、申請書類に小さな不備があれば、それが全体に与える影響よりも「不備である」という事実のみを重視し、手続きを止めてしまうことも少なくありません。
さらに、彼らは「重箱の隅をつつく」ことにも長けています。完璧な書類作成や手続きの遂行を求めるあまり、必要以上に細部を精査し、些細なミスも見逃しません。これは品質を保つ上で重要な側面でもありますが、時には本質的な業務の進行を阻害することもあります。
慎重すぎる行動と自己保身のメカニズム
事務処理ロボット公務員は、極めて慎重な行動をとります。
その象徴的な行動が「石橋を叩いて、叩き壊す」です。
リスクを最大限に回避しようとするため、本来であればスムーズに進むはずの案件も、何度も何度も確認を重ね、結局は元の木阿弥になってしまうこともあります。彼らにとって、現状維持こそが最も安全な道なのです。
また、彼らは「現場を大事にせず、デスクワークで物事を判断する」傾向があります。実際の業務がどのように進められているか、市民が何を求めているかよりも、手元のデータやマニュアルを重視します。そのため、現場との認識に齟齬が生じ、非効率な運用になってしまうことも珍しくありません。
そして、彼らを突き動かす根源の一つに「自己保身」があります。何か問題が発生した際に、責任を負うことを極端に嫌います。そのため、「他人に責任を転嫁する」という行動に出ることもあります。彼らにとって最も重要なのは、自身の立場を守り、無事に一日を終えることなのです。
凝り固まった思考と動かない体
事務処理ロボット公務員の思考は、非常に「杓子定規」です。規則や前例に則った判断を最優先するため、柔軟な発想や新しいアプローチを苦手とします。彼らの発想は往々にして「ネガティブ」に傾きがちで、困難を乗り越えるためのポジティブな解決策よりも、リスクを回避するための思考に終始します。
そして、その結果として「とにかく動かない」という行動特性が生まれます。新しいことへの挑戦や、現状を変えることには及び腰です。指示された範囲内で、決められた手順通りに業務をこなすことを好みます。
また、「小さいお金のことを気にする」というのも彼らの一面です。大きな視点での投資や、将来的な費用対効果よりも、目の前の少額な支出に過剰にこだわる傾向があります。もちろん、税金を扱う立場としては当然の姿勢ですが、時にそれが本質的な業務の停滞を招くこともあります。
彼らは決して悪意があるわけではありません。ただ、長年の慣習や厳格なルールの中で、効率やリスク管理を極限まで追求した結果、このような「事務処理ロボット」としての生態を確立したのかもしれません。彼らの特性を理解し、適切にコミュニケーションを取ることが、円滑な行政サービスの提供には不可欠だと言えるでしょう。