なぜ、給与カットがされるのか?
昨今、国や地方公共団体の財政問題があります。
国が国債を発行し続け、債務残高は、増加の一途をたどっています。
また、地方公共団体も、それに追随するかのように、
債券を発行し、債務残高を増やし続けています。
財政問題が、取り上げられる時に、必ずと言っていいほど、
議論に上がるのが、「公務員の給与問題」です。
今でこそ、日経平均も約3万円という状況で、コロナとは言え、
景気はリーマンショック以降の民主党政権下より、
高い水準で推移しているため、あまり「公務員の給与問題」
が矢面に立つことはありません。
しかし、一旦、景気が悪化すれば、相対的優位な立場と
世間から見られる公務員は、世間による袋叩きがはじまります。
「公務員は仕事をしていない」「給料水準が高すぎる」などです。
そして、後手後手で、世間体と財政問題の抱き合わせで、
給与カットがされていくのです。
給与カットはコスパが悪い
しかし、財政問題と給与カットは、セットのように、
されていますが、それはおかしいのです。
給与カットをすることでの、国や地方の財政における
インパクトなどたかがしれています。
ボリュームとしても、0.00数%ぐらいでしょうか?
ほとんど意味がないというか。
そんなことより、財政問題を解決するためには、
人の数を適正化する方が、よっぽど重要です。
給与カットでの人件費削減額など、人を一人か二人か減らせばすぐに達成できます。
であれば、職員のモチベーションにもかかわる人件費カットは、
ものすごくコスパの悪い施策であることがわかるでしょう。
給与カットは、とってもコスパが悪いのです。
するべきは、適正な人員配置
財政問題を少しでも解決させる気があるのであれば、
着手すべきは「適正な人員配置」です。
そして、そこでは「行政とは、本来何をすべきか?」
という視点が大切になります。
現在の日本では、国の指針からしても、
明らかに「過剰行政」です。
国が過剰行政で、地方がそれに追随するため、
日本全体が過剰行政となっています。
それを少しずつでも是正する方向に向かわなければ、
健全な財政運営などできるはずもありません。
福祉で命を預かる部署がある一方で、季節ごとに
写真を撮るのが仕事の部署や道路工事の進捗を妨げ、
穴を掘るのが仕事の部署があります。
果たして、同列でいいのでしょうか?
財政的な余裕があれば、それもいいかもしれませんが、
そんな自治体は、ほとんどないでしょう。
過剰行政を是正するためには、「行政とは何か?」を
自治体自ら考え、その本来の姿を少しずつでも取り戻す作業
が必要になるかと思います。