法律

「宿泊を伴う取調べ(最高裁昭和59.2.29)」をわかりやすく解説。

事件の概要

東京都港区のマンションで女性が殺害された。

捜査官はXを任意で同行し、取調べ。

Xは犯行を認めた。

Xから家に帰りたくないとの申出により、

捜査官は宿泊施設を手配し、

Xは4夜にわたり連日取調べを受けた。

Xは、殺人罪で起訴。

1審、2審ともにX有罪。

Xが上告。(宿泊を伴う取調べは違法な無令状身柄拘束。その間の自白は証拠能力を有しないと主張)

判決の概要

上告棄却

  • 本件の取調べは宿泊の点など任意捜査の方法として妥当とはいい難い。
  • 「任意捜査に応じている」だけでなく「速やかに事情聴取する必要性があった」ため、社会通念上やむを得ない。
  • 任意捜査として違法とまではいえない。

事件・判決のポイント

被告人の「家に戻りたくない」との申出も判決に影響していますが、

おそらく捜査官により無理矢理書かされたもののように感じます。

関連条文

刑事訴訟法第198条 

検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。

裁判所ホームページ(外部リンク)

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