事件の概要
A社発起人Yらは
- ある銀行の○○支店より金銭の借受
- △△支店に払込
- A社の設立登記
- △△支店から払戻
- ○○支店に借入金返済
A社の債権者Xは、A会社に代位して、発起人Yらに対して、
払込担保責任を追求。
1審、Xの請求認容。
2審はXの請求棄却。
X上告。
判決の概要
一部破棄差戻。
- 当初から真実の株式の払込として会社資金を確保する意図なく、一時的の借入金を以って単に払込の外形を整え、株式会社成立後直ちに払い戻して借入先に返済する場合は、会社の営業資金が確保されたことにならない。
- このような払込は、単に外形上株式払込の形式こそ備えているが、実質的には払込があったとは言えず、払込の効力を有しない。
事件・判決のポイント
株式会社においては、
- 一定程度の会社財産の確保が必要(会社債権者保護)
- 設立時に株式引受人から会社に財産の払込が必要(株式引受人間の公平を確保)
になります。
これを潜脱しようとするのが、ここで問題となる「見せ金」です。