法律

「フロッピーディスクの包括的差押(最高裁平成10.5.1)」をわかりやすく解説。

事件の概要

オウム真理教の教団施設にて、公正証書原本等不実記載罪の捜査を実施。

捜索差押許可状には、差押えるべきものとして

  1. 組織的犯行を明らかにするフロッピーディスク
  2. パソコン1台

の記載があった。

捜査官らはパソコン1台とフロッピーディスク108枚を差押た。

申立人Xは、差押処分の取消しを求めて、準抗告。

棄却されたため特別抗告。(包括的差押は憲法35条に反すると主張)

判決の概要

抗告棄却

  • 令状により差押えようとするパソコン・フロッピーディスク等の中に被疑事実に関する情報が記録されている蓋然性が認められる場合、その場で確認をしていては情報を損壊される危険があるときは、内容の確認なしに差押えることが許される。

事件・判決のポイント

包括的な差押について最高裁が言及したものです。

  • 情報が記録されている蓋然性がある
  • 情報を損壊される危険がある

場合には、包括的な差押が許容されるということです。

こういった言い訳なら捜査官側はいくらでもできそうな気もしますが、

実際、捜索の現場で、一つずつ確認するのは、無理があるので、

妥当な判断と言えるでしょう。

関連条文

憲法第35条 

何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。

裁判所ホームページ(外部リンク)

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