コラム

国勢調査は「すべての人」を対象にして行う必要があるのか?

2020年9月14日から全国で国勢調査が始まりました。

国勢調査は、日本に住んでいる「すべての人・世帯」を対象として実施されます。

今年は、調査開始から100年の記念回とのことです。

調査員は全国で約80万人にのぼります。

その人員・予算規模たるやかなりのものです。

しかし、本当に国勢調査は「すべての人・世帯」を対象に行う必要があるのでしょうか?

近年の国勢調査の課題として、未回収率の増加があげられます。

都市部では3割の未回収が発生しているとのことです。

「すべての人・世帯」を対象に調査をしますが、全て調査するのは不可能です。

であれば、膨大な予算を投じなくて「住民の実態」を明らかにする方法を考えた方が良いのではないでしょうか?

国勢調査の目的は、「人口の構造や世帯の構成状況を明らかにすること」にあります。

これが達成できれば良いのです。

そして、今のやり方では、予算の割に漏れが多くあります。

では、どうすれば良いのでしょうか?

参考になるのは、選挙の出口調査の要領です。

昨今の統計学の進歩からいえば、かなりの精度で目的のデータを取ることができるのではないでしょうか?

モデル地区ごとに一定数サンプルを抽出するようにすれば、予算も少なく、かつ正確なデータが取れるはずです。

基盤となる住民データは、各自治体が保有しているので、それを使用すれば良いのです。

100年間似たような調査をしているのは、褒められることではありません。

学問の進歩を実務でも役立てないといけないのではないでしょうか?

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