地方債とは?
地方債とは、簡単に言えば、地方公共団体がする「借金」のことです。
もう少し詳しく言えば、地方公共団体が資金調達のために、金銭を借り入れることにより負う債務で、償還が次年度以降にわたるもののことです。
地方債を起こすことを「起債」と言います。
地方債の性格
地方債には以下の性格があります。
- 地方公共団体が負担する債務であること
- 資金調達によって負担する債務であること
- 証書借入又は証券発行の形式を有すること
- 地方公共団体の課税権を実質的な担保とした債務であること
- 債務の履行が一会計年度を超えて行われるものであること
ここにずらずらと書きましたが、特に4つ目の
「地方公共団体の課税権を実質的な担保とした債務であること」
というのは、大事な点です。
課税権というのは、ものすごく強力な行政権力です。
その課税権を実質的な担保としている借金が「地方債」なので、
これもまためちゃくちゃ担保されている「借金」ということができるでしょう。
地方債の機能
地方債の機能としては、以下の点があげられます。
- 財政支出と財政収入の年度間調整
- 住民負担の世代間の公平のための調整
- 一般財源の補完
- 国の経済政策との調整
二点目の「住民負担の世代間の公平のための調整」というのは、常套句です。
何かにつけて「世代間の公平」ということを言われます。
しかし本当にそうなのかなという気もします。
住民が望んでもいない公共施設を建設するのに「世代間公平」と言われてもちょっと・・・
という感覚は、私だけではないのではないでしょうか。
地方債の資金
地方債の資金は、以下のとおりです。
- 財政融資資金
- 地方公共団体金融機構資金
- 民間等資金(市場公募資金、銀行等引受資金)
地方債が使える場合
基本的には、なんでもかんでも地方債を財源として計算するのは、NGとされています。
地方公共団体の長期的な財政運営の視点からは多額の地方債の発行は健全さをそぐものだからです。
その中で、以下の場合は地方債をもって財源とすることができます。
- 公営企業(交通事業、ガス・水道事業など)に要する経費の財源とする場合
- 出資金及び貸付金の財源とする場合
- 地方債の借換えのために要する経費の財源とする場合
- 災害に関する事業(災害応急事業、災害復旧事業、災害救助事業)の財源とする場合
- 学校、保育所、消防施設、道路、河川、港湾などの建設事業費の財源とする場合
主にはこういった場合に地方債という借金をすることができます。