「強制の処分」とは?
刑事訴訟における強制的な手段を用いた捜査のことです。
法律に規定がある場合のみ許容され(法定主義)、令状によって行われなければならない(令状主義)とされています。
判例(最決昭51.3.16)は、強制手段について、次のように示しています。
判例(最決昭51.3.16) 個人の意思を制圧し、身体、住居、財産等に制約を加えて、強制的に捜査目的を実現する行為など、特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない手段 |
具体的には、警察官などが、手首を掴んだり、家の中を調べたり、持ち物を取ったりすることを指します。
参考条文
刑事訴訟法第197条(捜査に必要な取調べ)
捜査については、その目的を達するため必要な取調をすることができる。但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、これをすることができない。
② 捜査については、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
③ 検察官、検察事務官又は司法警察員は、差押え又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者又は自己の業務のために不特定若しくは多数の者の通信を媒介することのできる電気通信を行うための設備を設置している者に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、三十日を超えない期間を定めて、これを消去しないよう、書面で求めることができる。この場合において、当該電磁的記録について差押え又は記録命令付差押えをする必要がないと認めるに至つたときは、当該求めを取り消さなければならない。
④ 前項の規定により消去しないよう求める期間については、特に必要があるときは、三十日を超えない範囲内で延長することができる。ただし、消去しないよう求める期間は、通じて六十日を超えることができない。
⑤ 第二項又は第三項の規定による求めを行う場合において、必要があるときは、みだりにこれらに関する事項を漏らさないよう求めることができる。