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事情判決とは?わかりやすく解説

事情判決とは?

処分や裁決が違法であることは認められるものの、取消した場合、公の利益に著しく反すると考えられるケースで裁判所が請求を棄却する判決のことです。

原告の損害の程度など一切の事情を考慮した上での判決であることから「事情判決」と呼ばれています。

行政事件訴訟法31条で規定されています。

行政事件訴訟法第三十一条(特別の事情による請求の棄却)
取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。この場合には、当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない。
2 裁判所は、相当と認めるときは、終局判決前に、判決をもつて、処分又は裁決が違法であることを宣言することができる。
3 終局判決に事実及び理由を記載するには、前項の判決を引用することができる。

事情判決の場合は、判決主文で「処分又は裁決が違法であることを宣言」することになります。

具体的には、次の判例があげられます。

  • 土地改良事業の事業計画等の違法(最判昭33.7.25):【判旨】Y知事の認可を取り消すことで多数の農地・人についての法律関係・事実状態を一気に覆滅し去ることは著しく公共の福祉に反するため、事情判決とする

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