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刑事訴訟法第220条をわかりやすく解説〜令状によらない差押え・捜索・検証〜

条文

第二百二十条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、第百九十九条の規定により被疑者を逮捕する場合又は現行犯人を逮捕する場合において必要があるときは、左の処分をすることができる。第二百十条の規定により被疑者を逮捕する場合において必要があるときも、同様である。
一 人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り被疑者の捜索をすること。
二 逮捕の現場で差押、捜索又は検証をすること。
② 前項後段の場合において逮捕状が得られなかつたときは、差押物は、直ちにこれを還付しなければならない。第百二十三条第三項の規定は、この場合についてこれを準用する。
③ 第一項の処分をするには、令状は、これを必要としない。
④ 第一項第二号及び前項の規定は、検察事務官又は司法警察職員が勾引状又は勾留状を執行する場合にこれを準用する。被疑者に対して発せられた勾引状又は勾留状を執行する場合には、第一項第一号の規定をも準用する。

解説

「令状によらない捜索・差押え」の根拠としては、判例や実務では次の説(相当説)が採られています。

  • 逮捕の現場には証拠の存在する蓋然性が高いので、合理的な証拠収集手段として認められる

また、本条1項2号「逮捕の現場」の意義については「捜索差押許可状が請求されれば許容されるであろう相当な範囲」とされており、「逮捕場所と同一の管理権の及ぶ範囲」が含まれるのが判例の立場です。

本条文が登場する事例としてよくあるのは「覚せい剤」関連の事件などになります。

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