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公訴事実の同一性とは?わかりやすく解説

公訴事実の同一性

公訴事実の同一性とは、広義において、訴因の追加・変更が許される範囲のことをいいます。

刑訴法312条1項では、「裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない」としています。

刑訴法第312条 裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。
② 裁判所は、審理の経過に鑑み適当と認めるときは、訴因又は罰条を追加又は変更すべきことを命ずることができる。
③ 裁判所は、訴因又は罰条の追加、撤回又は変更があつたときは、速やかに追加、撤回又は変更された部分を被告人に通知しなければならない。
④ 裁判所は、訴因又は罰条の追加又は変更により被告人の防禦に実質的な不利益を生ずる虞があると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、決定で、被告人に充分な防禦の準備をさせるため必要な期間公判手続を停止しなければならない。

公訴事実の同一性には、次に掲げるものを画する機能を有しています。

  • 訴因変更の範囲(312条1項)
  • 二重起訴禁止の範囲(338条3項)
  • 一事不再理効の範囲(337条1項)
  • 公訴時効停止の範囲(254条)

公訴事実の単一性と同一性

前述、公訴事実の同一性は広義のものであり、内容としては「公訴事実の単一性」と「公訴事実の同一性(狭義)」に分けられます。

公訴事実の単一性:公訴事実の1個であるか否か(”はば”の問題)

→2つの罪が科刑上一罪であれば単一性は肯定

公訴事実の同一性(狭義):公訴事実が同じと言えるか否か(”ずれ”の問題)

→2つの罪の基本的事実が同じなら同一性は肯定(判例も基本的事実関係同一説を採っています。)

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