法律

「複数契約取引の解除(最高裁平成8.11.12)」をわかりやすく解説。

事件の概要

Xは、Y社からリゾートマンションを購入した。

同時に、Y社運営のスポーツクラブ会員権を購入した。

スポーツクラブの屋内プールの完成が遅延。

Xは、クラブ会員権契約を解除。

同時に、マンション売買契約も解除し、Yに対して売買代金と会員登録料等の返還を請求した。

原審がXの請求を棄却したため、Xが上告。

判決の概要

破棄自判。

  • プールの利用はクラブ会員の重要な権利。
  • マンションの所有権を買い受ける際にクラブに入会しなければならないので、両者は密接に関連付けられている。
  • 契約が別契約であっても、両者が密接に関連付けられていて、片方の契約だけでは契約目的全体が達成できない場合は、一方の契約の債務不履行を理由に、もう一方の契約の解除もできるものとする。

事件・判決のポイント

複数契約の場合、一方の契約不履行が、もう一方の契約解除原因となるためには、

①目的が相互に密接に関連していること

②一方の履行だけでは契約目的が達成できない場合

の二点を満たす必要があります。

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