公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢が65歳へと引き上げられたことに伴い、国家公務員・地方公務員に再任用制度が導入されました。
任命権者である役所は、希望者については可能な限り、再任用しなければなりません。
定年者について無収入期間が発生ないように・・・という制度趣旨は理解できるのですが、再任用を行うことで、組織としてはマイナスの方向にはたらくことも少なくありません。
ここでは、再任用が組織をダメにする例について、具体的に示していきます。
昨日の上司が今日の部下
再任用あるあると言ってもいいかもしれません。
再任用した際の配属先として、「これまでの経験を活かして・・・」と経験のある部署に配属されるケースはよくあります。
そこで起きる事象が
昨日の上司が今日の部下
なのです。
急に平職員になった部下を扱う管理職はやりにくいこと、やりにくいこと。
当の本人は、給与がもらえるのでそれほど気にしていないようですが。
そして、再任用された人は、「経験を活かされ」配属されているため、業務には詳しく、管理職に
「ああしろ、こうしろ」
口出しする人もちらほらいるとのことです。
これでまともな組織と言えるはずがありません。
プレイヤーとしては使えない
再任用される人たちの多くは、これまでマネージャー(管理職)として働いてきた人です。
それが、いきなりプレイヤーになるのですから、本人も思っている以上に大変です。
ワードやエクセル、パワポの基本的な機能すら理解していない人もいたりします。
これまでは部下にやってもらっていたことも、再任用後は自分でしなければなりません。
マネージャーとしての資質とプレイヤーとしての資質は異なるため、プレイヤーになって使えない・・・なんてこともザラにあります。
他の若手がやりにくい
再任用された元管理職が、いきなり平職員になると周囲の若手職員もやりにくくてたまりません。
気を遣うことも多くあり、別の平職員にはお願いしていた仕事も元上司には同じようにお願いはできません。
前述のように口を出すタイプの再任用だとさらに周囲の萎縮効果は上がります。
組織としてのパフォーマンスが上がることはありません。
若手が仕事しにくい環境というのは、組織全体から見ても損失以外何ものでもありません。
最後に
再任用が組織を悪くする理由について、整理しました。
参考にしていただければ幸いです。