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処分の取消しの訴えとは?わかりやすく解説

処分の取消しの訴えとは?

行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為の取消しを求める訴訟のことで、行政事件訴訟法3条2項に規定されています。

行政事件訴訟法第三条(抗告訴訟)
2 この法律において「処分の取消しの訴え」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(次項に規定する裁決、決定その他の行為を除く。以下単に「処分」という。)の取消しを求める訴訟をいう。

行政事件訴訟法に定める取消訴訟の一種です。

なお、裁決、決定その他の行為の取消し(審査請求その他の不服申立てに対するもの)については、裁決の取消しの訴えで争うこととなります(同条3項)。

第三条(抗告訴訟)
3 この法律において「裁決の取消しの訴え」とは、審査請求その他の不服申立て(以下単に「審査請求」という。)に対する行政庁の裁決、決定その他の行為(以下単に「裁決」という。)の取消しを求める訴訟をいう。

「行政庁の処分」は、具体的に下記のものが該当します。

  • 法律上の効果を及ぼす税関長の通知
  • 登記官が登記簿に所有者を記載する行為
  • 法的効果を有する土地区画整理事業計画の決定

これらの取消しを求める際に、「処分の取消しの訴え」を提起することとなります。

処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求その他の不服申立てをすることができる場合においても、直ちに提起することができる(同法8条1項)。(処分を争うために不服申立てと処分の取消しの訴えのどちらを選んでもよいのが原則)

しかしながら、個別法において、処分の取消しの訴えを提起するためには不服申立てに対する裁決や決定を経なければならないこととされているものがあります(同項ただし書)。

この場合は、不服申立てがあった日から3か月を経過しても裁決や決定がないとき等に、処分の取消しの訴えを提起することができる(行政不服審査法8条2項)とされています。

第八条(処分の取消しの訴えと審査請求との関係)
処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。ただし、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、この限りでない。
2 前項ただし書の場合においても、次の各号の一に該当するときは、裁決を経ないで、処分の取消しの訴えを提起することができる。
一 審査請求があつた日から三箇月を経過しても裁決がないとき。
二 処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき。
三 その他裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。
3 第一項本文の場合において、当該処分につき審査請求がされているときは、裁判所は、その審査請求に対する裁決があるまで(審査請求があつた日から三箇月を経過しても裁決がないときは、その期間を経過するまで)、訴訟手続を中止することができる。

不服申立てに対する裁決や決定を経なければならないものの具体例としては、次のものがあげられます。

  • 地方税法19条の12
  • 地方公務員法51条の2
  • 生活保護法69条

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