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「消滅時効の援用と権利濫用(最高裁昭和51.5.25)」をわかりやすく解説。

事件の概要

昭和22年にAが死亡。

長男YがAの権利義務を承継した。

Y登記の甲土地にて、亡Aの妻Xは耕作をし、

子らを扶養し、以後20年来続けた。

昭和48年、亡Aの妻Xは、長男Yに対して、

登記移転と農地法の許可申請を依頼するも、Yは拒否。

Xは、Yに対して農地法上の許可申請協力請求とこれを条件とする所有権移転登記手続請求を行なった。

1審、2審ともにXの請求認容。

Yが上告。(Yは時効を主張。)

判決の概要

上告棄却。

  • このような事実関係の下、YがXの所有権移転許可申請協力請求権について消滅時効を援用することは、信義則に反し、権利の濫用として許されないとした原審の判断は正当

事件・判決のポイント

  • 本件では、消滅時効の援用が権利の濫用とされました。

関連条文

民法第1条(基本原則)

私権は、公共の福祉に適合しなければならない。

2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。

3 権利の濫用は、これを許さない。

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