現時点での事件に対する考え方
「ALS患者の嘱託殺人容疑で医師逮捕」報道で、SNSを通じて知り合ったとみられる2人の医師がALS患者の嘱託殺人の疑いで逮捕されたことがわかりました。
まず、前提として現時点では2人の医師は容疑があり、逮捕された段階なので、あくまで犯罪者ではありません。今後、起訴され、裁判で真相を明らかにし、仮に刑が確定すれば、その時点で犯罪者になります。
今は社会的に大きな影響がある「事件」としての報道であるべきで、犯人を特定し、社会的制裁を下すような報道はするべきではない、というのが本記事の前提条件です。
医師の役割とは?
事件としては、大変インパクトのあるものです。
社会的に弱い立場にある人の「生きる権利」「死ぬ権利」については、これから議論を深めていくべきだと思います。
今疑いがかけられている2人の医師については、事実と事実であれば動機の解明など今後の事件の動向に注目していきたいです。
現時点で報道されている情報では、SNSを通じて知り合ったとみられる2人の医師が「安楽死させてほしい」とSNSに投稿した女性宅に出向き、薬物を投与し、その後亡くなった、ということです。
医師の役割とは一体何なのでしょうか?
医師であれば、困っている人や病気の人に寄り添い、その立場を理解しようと努め、最善を尽くすべきなのではないかと思います。
であれば、SNSを通じ知り合った女性に会った当日、薬物を投与し、死に至らしめる行為は、医師の仕事ではありません。
「死にたい」とメッセージを発している人に対して、「なぜ死にたいと思っているのか?」そして、どうすればより良く生きていけるのかを傾聴し、一緒に考えることが医師としての仕事なのではないでしょうか?
安楽死を認める、認めない以前の問題です。
報道が事実とすれば、このような患者に向き合えない医師がいることの方が、社会の大きな問題なのではないでしょうか?