コラム

「平成の大合併」は失敗だったのか?今に残る合併特例債という負債。

平成の大合併とは何だったのか?

平成の大合併とは一体何だったのでしょうか?

総務省による公表は以下の通りです。

合併の進捗状況等

平成 11 年以来、基礎自治体の行財政基盤確立のため、全国的に市町村合併を推進
平成 11 年~平成 17 年 : 手厚い財政措置(合併特例債の創設や合併算定替の期間延長) 平成 17 年~平成 17 年 : 国・都道府県の積極的な関与

市町村数:3,232(H11.3.31)⇒1,730(H22.3.31見込み) となり、相当程度進捗

平成の合併の評価

合併の本来の効果が現れるまでには 10 年程度の期間が必要であると考えられ、現時点では短期 的な影響の分析に止まらざるを得ないが、多くの合併市町村の行政・住民、また世論の合併への評 価は大きく分かれている。

《合併による主な効果》

1専門職員の配置など住民サービス提供体制の 充実強化

2少子高齢化への対応

3広域的なまちづくり

4適正な職員の配置や公共施設の統廃合など行財政の効率化

《合併による主な問題点・課題》

1周辺部の旧市町村の活力喪失

2住民の声が届きにくくなっている

3住民サービスの低下

4旧市町村地域の伝統・文化、歴史的な地名などの喪失

総務省はこのようにまとめています。

平成の大合併により、市町村の数は減少しました。市町村合併の目的とされていた行財政の効率化など一定程度達成できたとみることもできるでしょう。

また、合併による課題というのも、合併によるものなのか過疎高齢化が進み、合併と関係なく進んでいるのかはっきりとしない部分もあります。

言えることは、平成の大合併は、国がリードしていたということです。

それについていった市町村という構図であり、この構図が一番の問題なのです。

国がリードして、それについていった市町村という意味では、失敗なのかもしれませんが、ある程度、将来の財政運営を考えると、合併は仕方ないと捉えることもできます。

最も好ましいのは、合併をし、財政運営の効率化を図り、かつ新しい自治体の姿で、真に自分たちのあるべき姿を描き出すことです。

少し回りくどい言い回しですが、「得をするから合併する」という自治体が多過ぎたのではないでしょうか?

そのツケが回ってきているのが今なのです。

合併特例債という甘い蜜

「得をするから合併する」とはどういう意味なのでしょうか?

国は、合併した自治体に「合併特例債」というとても有利な貸付をしたのです。

返済は、借りた金額の3割でいいという「めちゃくちゃおいしい」貸付制度です。

この甘い蜜により合併した自治体は多く、合併後、それぞれの地区に新しい公共施設が建設されました。

大型複合施設もあれば、「住民福祉」という温泉施設など、多くはハード整備に使われました。

残ったのは必要性の低い施設と負債

多くの自治体が合併した平成17年から10年以上が経ち、今街を見渡すと何が残ったのでしょうか?

残ったのは、必要性の低い施設と負債です。

そもそも、なぜ必要性の低い施設が残ったのでしょうか?

合併特例債で建設した施設というのは、「必要だから建設した」のではなく、「有利な貸付があるから建設した」ものがほとんどです。

必要に迫られて建設したものであれば、ある程度将来負担や収益性も考えたのでしょうが、先にお金があり、そのお金をどう使うか、という順序だったため、必要性の低い施設が建設されたのです。

そして、3割といえど負債が残されました。

さらに膨大なランニングコストが今なお自治体の財政を圧迫しています。

これが、「平成の大合併」がもたらしたものです。

成功か失敗かはそれぞれの自治体によって異なります。

しかしながら、自治体の将来像を真剣に考えることなく、国のリードにただひたすら付いて行った自治体に関しては、成功と言える状況は限りなく少ないのではないでしょうか?

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