法律

「職務質問のための留め置き(最高裁平成6.9.16)」をわかりやすく解説。

事件の概要

危険な自動車走行をしていたXは警察に職務質問をされた。

Xの言動から覚せい剤使用の疑いが持たれた。

巡査YはXの自動車のキーを抜きとった。

その後、Xは約6時間半ほど道路上に留め置かれ、令状により、病院で強制採尿がなされた。

尿より覚せい剤が検出され、緊急逮捕。

覚せい剤自己使用等の罪で起訴。

1審、2審ともに有罪。(強制採尿により作成された鑑定書を証拠採用)

X上告。

判決の概要

上告棄却。

  • 自動車のエンジンキーを取り上げた行為は、職務質問を行うため停止させる方法として必要かつ相当な行為。
  • 道路交通法に基づき、交通の危険を防止するために採った必要な応急の措置に当たる。
  • 約6時間半以上現場に留め置いた措置は、任意同行を求めるための説得行為としては限度を超え、違法。
  • しかし、違法の程度は、令状主義の精神を没却するような重大なものとはいえない。

事件・判決のポイント

捜査は違法だけど、鑑定書の証拠不採用とするまでもない、というものです。

強制採尿の事件と同事件です。

関連条文

刑法第319条(違法収集証拠排除)

強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。

裁判所ホームページ(外部リンク)

最高裁判所判例集

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