法律

「麹町中学内申書事件(最高裁昭和63.7.15)」をわかりやすく解説。

事件の概要

Xは東京都千代田区立麹町中学校在学中に学生運動に傾倒。

機関紙の発行や文化祭でのビラまきなどの活動を行なった。

卒業後、高等学校を複数受験するも全て不合格。

Xは高校不合格の理由は内申書の記載にあるとして、

千代田区および東京都を相手取り、国家賠償請求を行なった。

1審はXの請求認容。

2審はXの訴えを排斥。

Xが上告。

判決の概要

上告棄却

  • 内申書記載は、上告人の思想、信条そのものを記載したものでないことは明らかである。
  • 記載に係る外部的行為では思想信条はわからないし、思想信条自体を入学者選抜の資料にしたとも言えないから違憲の主張は前提を欠き、採用できない。

事件・判決のポイント

  • 思想良心の自由は、内心に止まっている限り絶対的に保障されます。
  • 本件では、内申書の記載事項からは生徒の思想を知ることはできないから、思想良心の自由の侵害はないということです。

関連条文

憲法第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

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