目立つ報道
最近、マスコミで自殺に関する報道が増えています。
著名人の自殺が増えていることや新型コロナによる
慢性的な疲れにより自殺者の増加が危惧される
ことなど様々な要因があります。
吉本隆明氏の整理
戦後思想界の巨人と呼ばれている吉本隆明氏は
著書「ひきこもれ (SB新書)」の中で、
「子どもの自殺とは親の代理死である」と述べています。
自殺する子どもは、育ってきた過程の中で傷つけられています。
そして、傷ついた親に育てられた子どもは傷つきやすいというのです。
子ども自身が「自殺をするほどの体験」
をすることは考えにくく、結局は親の真似として
自殺を選ぶのだと言います。
大人になって親の代理死をしたと
考えられる人として、吉本氏は、太宰治や
三島由紀夫をあげています。
彼らは、傷ついた子どもがそのまま大人になり、
自殺をしたという側面があるというのです。
そういったケースでは、「自殺とは親の代理死」
ということが言えるでしょう。
誰の「代理」と言えるのか?
自殺は本人を責めることはできませんし、
かと言って家族ばかり責めることもできませんが、
「代理死」という考え方をすれば、家庭を含め、
様々な環境によって、関わったものの代理と捉える
ことができるのかもしれません。