コラム

まちづくりは住民ニーズに従ってはいけない理由

まちづくりは住民ニーズに応えるのが当然と思っている自治体担当者は数多くいます。

住民ニーズに応えるのが正しい場合もありますが、そうでない場合もあります。

アメリカの環境倫理学者ベアード・キャリコットは、「まちづくりは住民ニーズに従ってはいけない」と主張します。

その理由ですが、「まち」という大きな場所、長い時間に生きるものは、住民のライフスパンをはるかに超えたライフスパンを持つからです。

住民は、安全・安心・便利・快適などを求めますが、それが本当にその「まち」に取って重要なものかどうかはわかりません。

例えば、一つの大きな樹木があります。

その大きな樹木は、秋になると枯れ葉がたくさん周囲に落ちます。

周囲の住民は掃除が大変だから、樹木を切って欲しいと言います。

しかし、その「まち」にとって、この樹木は本当に切ってしまっていいのでしょうか?

「まち」のアイデンティティーかもしれません。

切ってしまうと困る鳥がいるかもしれません。

切ってしまえば、掃除の手間はなくなりますが、「まち」の個性はなくなり、故郷の情感もなくなるかもしれません。

・・・なので、「まちづくり」で大切なことは、住民ニーズに素直に応えることではないのです。

「まち」にとって大切なものは何か、長い目で見て、考えることが大事です。

安直に便利・快適を進めようとする自治体担当者が持つべき視点だと感じます。

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