コラム

滞納者とのトラブルを防ぐ方法〜ハードクレーム対応は時間と労力の無駄〜

徴収の仕方にも問題がある

税の徴収を担当する部署では、日々ハードなクレーム対応に追われています。

窓口で大声を出す滞納者は、どの役所にも時々現れます。

窓口で大声を出すクレーマーの多くは、滞納の常連であり、人間性にも問題がある・・・と思われています。

しかし、実際にそうである場合と未然に防げる場合とか存在します。

なぜかと言うと「徴収の仕方」にも問題があるのです。

徴収担当課で担当する対応件数は、かなり多いです。

人口比率で約1割と仮定しても、10万人のまちで1万件ほど対応しなければなりません。

多くの件数を処理するために、督促や催告を文書でした後、反応がなければ、差押え等に移行します。

この一連の対応に改善の余地があるのです。

滞納者とのコミュニケーション

差押えされる側に立って考えれば、すぐにわかります。

滞納者は、文書が何度か来ても、きちんと読みません。

何か手紙が来ているぐらいにしか思っていません。

そして、ある日突如として給料を差し押さえられたり、家に来て物を差し押さえられたりするのです。

怒らないはずがないですよね。

改善するとすれば、督促や催告をした後に、「一度電話をする」ことです。

最終催告であっても、ちゃんと分かっていない滞納者が多くいます。

そこで、最終催告の後に反応がなければ、一度電話をしてあげるのです。

「このまま放っておくと、給料が差し押さえられますよ。」と言うことを、説明してあげます。

この説明で、事態の深刻さを思い知り、納税すれば儲け物です。

また、きちんと説明した上での差し押さえであれば、滞納者本人も自分に非がある事が理解できます。

なので、窓口の声の大きさも、事前説明のあるなしで、変わってきます。

「そんなこと、件数が多いからできない。」と言う徴税吏員の声が

聞こえてきそうですが、ハードクレームを未然に防げるとしたら、

めちゃくちゃコスパが良いです。

滞納者とコミュニケーションを取ることで、

ハードクレームをなくすこと若しくは軽減することができます。

滞納者と言えど地域住民であることには変わりありません。

地域住民としてきちんと尊重する態度が大切です。

現場で働く人からすれば、「そんなの理想論だ。」と思われるでしょうが、

その理想が頭の片隅にでもないと、仕事の質は悪くなり、それが地域住民との軋轢につながります。

ぜひ、頭の片隅にこの事を置いて、一手間をかけた対応をすることをお勧めします。

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