観光庁の試算
2016年、観光庁は、「観光交流人口増大の経済効果」として、定住人口1人当たりの年間消費額に着目して、定住人口の減少を観光で補充するために、必要な観光客の量を以下のように示しています。
- 定住人口1人当たりの年間消費額(124万円)は、旅行者の消費に換算すると外国人旅行者8人分、国内旅行者(宿泊) 25人分、国内旅行者(日帰り)79人分にあたる。
観光は手段であり、目的ではない
このデータがあるから、
では、人口減少する地域に○○人の観光客を増やさなければならない
と行政は考えます。
そして、観光客何人を増やそうという目標ができるのです。
ここでは、観光客を呼び込むのが、「目的」になってしまっています。
観光客を呼び込むのは、あくまで地域をある程度維持するための「手段」であって、
「目的」ではないのです。
考えなしに国策に左右されてはいけない
観光が「目的」になることで、出てくる弊害がいくつかあります。
その一つに、「効果の薄い観光施策が打たれる」ということが挙げられます。
結局のところ、GO TO キャンペーンもそうですが、
お金を使って、観光をしてもらう
という施策になるのです。
即効性はあるものの持続性はありません。
単発の効果で終わってしまいます。
観光は地域を持続させるための「手段」の一つであり、「目的」でないことを理解していれば、GO TO キャンペーン的な施策はとても費用対効果が低いことがわかります。
人口減少する地域社会の持続性をいかに保つかは、地域によって最適解が異なります。
それを全国一律の金太郎飴施策をするから、税金は無駄に使われますし、効果は上がらずなのです。
地域をデザインするのは、やはり地域であり、自治体はそれをいかに理解し、マネジメントするかが求められます。
考えなしに国策に左右されてはいけないのです。