行政委員会制度とは?
首長から独立した執行権限を行使する委員会又は委員を置く制度のことです。
政治的中立等の要請から首長が自ら事務の執行などを行うに適しない事務を処理します。
行政委員会制度趣旨は、以下のとおりです。
- 権力の集中を排除し、公正妥当な行政運営
- 行政の中立的運営の確保
- 機関に住民を参画させ、行政の民主化を確保
この行政委員会制度は、アメリカの行政委員会制度をもとにしています。
行政委員会の種類
具体的には、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員、農業委員会などがあります。
教育委員会などが、比較的身近でわかりやすい例かと思います。
教育委員会は、教育長及び4人の委員をもって組織します(地行法3条)。
教育行政の首長からの独立などの実現するために組織し、教育に関する事務を管理執行します。
代表的な機関と事務については、次のとおりです。
機関 | 主な事務 |
教育委員会 | 学校の組織編成、教育課程、教 科書等、教職員の身分取扱い等 に関する事務など |
選挙管理委員会 | 国や地方公共団体の選挙に関する事務 |
人事委員会 | 人事行政に関する調査や勧告等 職員の採用試験に関する事務 |
監査委員 | 地方公共団体の財務に関する事務に法令違反がないか監査 |
農業委員会 | 農地等の利用関係の調整 自作農の維持 |
行政委員会の特徴
- 数人の構成員からなる合議制機関
- 委員の身分保障
- 首長から独立性を有する
- 機関の判断と責任において事務を執行する
- 規則制定権を有する
- 審判、裁定等を行う権限を有する
地方公共団体との関係性
地方公共団体の執行機関としての行政委員会は、相互連絡を図り、
一体として行政機能を発揮しなければならないとされています。
一体的な行政の確保のために、以下のようなシステムがあります。
- 予算の調整、執行等の権限は有しない。
- 組織や職員の身分等については、首長が勧告権を有する。
- 予算執行、公有財産の取扱いに関して、首長が調査権等を有する。
- 首長と委員会はそれぞれの事務について、兼職や併任が可能。