繰越明許費とは?
歳出予算の経費のうち、性質上、
その年度内に支出が終わらない見込みのあるものを、
翌年度に繰り越して使用することができる制度のことです。
例えば、道路などの用地買収交渉が難航して、
年度内に買収契約が成立せず翌年度にずれ込んだ場合、
予算をあらかじめ確保しておかなければいけません。
このように予算を翌年度の契約成立後に支出する場合は繰越明許費で対応します。
この繰越明許費は、「会計年度独立の原則」の例外です。
「会計年度独立の原則」に対する例外としては、
- 繰越明許費
- 継続費の逓次繰越(ていじくりこし)
- 事故繰越
があります。
継続費の逓次繰越との相違点
繰越明許費と同様、「会計年度独立の原則」の例外である
継続費の逓次繰越との相違点は以下のとおりです。
- 繰越明許費は翌年1年限りの繰越しであることに対して、継続費の逓次繰越は履行に数年度を要することが前提。
- 繰越明許費は、「性質上年度内に支出を終わらない見込みのあるもの」「予算成立後の事由に基づき年度内にその支出を終わらない見込みのあるもの」についてのみであるのに対して、継続費の逓次繰越は特段の制限はない。
- 繰越明許費は確定した財源でなければならないが、継続費の逓次繰越は予定財源で良い。
- 繰越明許費は予算案を議会が減額することが可能。継続費の逓次繰越は継続年度中に減額することができない。
事故繰越との相違点
繰越明許費と同様、「会計年度独立の原則」の例外である
事故繰越との相違点は以下のとおりです。
- 事故繰越は予算計上がなく、決算処理上の手続きに過ぎない。
- 事故繰越は原則、支出負担行為が年度内にされていないといけない。