法人格否認の法理とは?
法人格否認の法理とは?
法人である会社の独立性を貫くと正義・衡平に反する結果となる場合に、特定事案に限り、会社の独立性(法人格)を否定し、会社と社員を同一視する法理のことをいいます。
会社法3条に関連したものになります。
会社法第3条(法人格) 会社は、法人とする。 |
要素・要件
法人格否認の法理には、「形骸化事例」と「濫用事例」があり、次のような要素や要件があります。
「形骸化事例」の要素
(※「形骸化事例」:実質は社員の個人企業や親会社の一営業部門にすぎない場合)
- 業務活動混同の反復・継続
- 会社・社員間の義務・財産の混同
- 株主総会・取締役会の不開催
「濫用事例」の要件
(※「濫用事例」:会社を支配する人が違法・不当な目的のため法人格を利用する場合)
- 支配
- 目的
効果
法人格否認の法理の効果としては、
- 会社の独立性が否定され、会社と背後者(社員・株主)が同一視され、債権者は両者に対して請求が可能となる
ことがあげられます。