扶養手当とは?
扶養手当とは?
扶養親族を有する職員に対して支給される手当で、
扶養親族を有する職員の生計費の補給を試みる
生活給的な性格を有する給与のことです。
地方公務員に対する扶養手当支給の根拠は、地方自治法にあります。(地方自治法204条)
具体的な支給については、各自治体の給与条例で定められています。
扶養手当の金額
配偶者 月額13,000円
その他 月額 6,500円
(配偶者がいない場合は、1人につき月額11,000円)
(16歳から22歳までの子どもがいる場合は、1人当たり5,000円の増額)
上記の内容は国家公務員の例によります。
自治体によって条例等で定められるため、金額は自治体によって若干異なりますが、
基本的には国家公務員と同等程度の内容になっています。
扶養の範囲等
基本的には、以下に掲げる者で、職員の扶養実態がある者が、扶養手当の支給対象者となります。
- 配偶者
- 満22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子
- 満22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある孫
- 満60歳以上の父母及び祖父母
- 満22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある弟妹
- 重度心身障害者
ただし、次に当てはまる場合、扶養手当の支給には該当しません。
- 他の家族が扶養手当を受給している者
- 年額130万円以上の恒常的な所得があると見込まれる者
支給の始期と終期
支給の始期
- 届出が事象発生日から15日以内に行われた場合は、新たに職員となった日、又は新たに扶養親族としての要件を満たす者が生じた日の属する月の翌月(これらの日が月の初日であるときはその月)
- 届出が事象発生日から15日を経過してからなされた場合には、届出を受理した日の属する月の翌月(届出を受理した日が月の初日であるときは、その月)
支給の終期
- 事象発生月(事実の生じた日が月の初日であるときは、その日の属する月の前月)
認定に際しての注意点
扶養手当の基準の一つに
「年額130万円以上の恒常的な所得があると見込まれる者」
は支給対象外とするというものがあり、
これが実務ではよく議題にあがります。
実務では、この「年額130万円以上の恒常的な所得」
の認定基準にバラツキがあります。
年額130万円を12月で割った月額10万8000円を基準とし、
直近3ヶ月がこれを超えていれば「不認定」
超えていなければ「認定」とするところも多くあります。
ただ、様々な雇用形態がありますし、扶養の実態から言えば、
必ずしも正しい認定基準とは言えません。
「年額130万円以上の恒常的な所得がない」という客観的な事実が把握できれば、
扶養手当は認定し、支給するべきです。
冒頭でも記述した通り、
扶養親族を有する職員の生計費の補給を試みる
生活給的な性格を有する給与が扶養手当であるため、
やみくもに、生活給を削減するのは、事業主として正しい姿勢とは言えないのです。
すぐに不正受給の話になりますが、不正受給がないように、
例えば、「3ヶ月後に離職の確認をさせてください」などと工夫をすれば、
職員が生活給的な性格を持つ扶養手当で不正受給が発生することなどあり得ません。
むしろ、本来手当をもらえるはずの人が、杓子定規な基準によって、
生活給的な手当を受給できないことの方が問題なのです。