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インカメラ審理とは?わかりやすく解説

インカメラ審理とは?

裁判官など審査をする者のみが文書等を直接見分けする方法で行われる非公開の審理のことです。

非公開のことを「インカメラ」というため、「インカメラ審理」と呼ばれています。

民事訴訟に関して

民事訴訟法においては、文書提出命令に対して、文書提出義務が認められていますが、一定の秘密情報のある文書は除外されています。

除外事由があるか否かの審理は、必要がある場合に限り、裁判官が「インカメラ審理」を行うことになります。

情報公開制度に関して

情報公開・個人情報保護審査会は、情報開示請求等の不服申立てを審査する第三者機関として、「インカメラ審理」をする権限を有しています。

情報公開・個人情報保護審査会設置法第9条(審査会の調査権限)
審査会は、必要があると認めるときは、諮問庁に対し、行政文書等又は保有個人情報の提示を求めることができる。この場合においては、何人も、審査会に対し、その提示された行政文書等又は保有個人情報の開示を求めることができない。
2 諮問庁は、審査会から前項の規定による求めがあったときは、これを拒んではならない。
3 審査会は、必要があると認めるときは、諮問庁に対し、行政文書等に記録されている情報又は保有個人情報に含まれている情報の内容を審査会の指定する方法により分類又は整理した資料を作成し、審査会に提出するよう求めることができる。
4 第一項及び前項に定めるもののほか、審査会は、審査請求に係る事件に関し、審査請求人、参加人(行政不服審査法第十三条第四項に規定する参加人をいう。次条第二項及び第十六条において同じ。)又は諮問庁(以下「審査請求人等」という。)に意見書又は資料の提出を求めること、適当と認める者にその知っている事実を陳述させ又は鑑定を求めることその他必要な調査をすることができる。

情報公開・個人情報保護審査会のする審査での「インカメラ審理」は、上記のとおりですが、その後、情報公開訴訟となった場合、「インカメラ審理」による証拠調べの取り扱いについては、次のとおり判示されています。

最決平21.1.15
情報公開訴訟において、裁判所が情報公開・個人情報保護審査会で行われるインカメラ審理を証拠調べそのものとして実施することは、民事訴訟の基本原則に反し、明文の規定がない限り許されず、相手方が立会権の放棄等をしていたとしても同様である

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