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会計年度任用職員をわかりやすく解説

会計年度任用職員とは?

会計年度任用職員とは?

簡潔に言えば、自治体に所属する「一般的な非正規職員」のことです。

会計年度任用職員制度が導入される以前は、「臨時職員」「非常勤職員」と呼ばれていた職員の多くがこの「会計年度任用職員」となりました。

「地方公務員法第22条の2の規定に基づき任用される職員」と言うこともできます。

地方公務員法
第二十二条の二(会計年度任用職員の採用の方法等)
次に掲げる職員(以下「会計年度任用職員」)の採用は、第十七条の二第一項及び第二項の規定にかかわらず、競争試験又は選考によるものとする。
一 一会計年度を超えない範囲内で置かれる非常勤の職(第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職を除く。)(次号において「会計年度任用の職」という。)を占める職員であつて、その一週間当たりの通常の勤務時間が常時勤務を要する職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間であるもの
二 会計年度任用の職を占める職員であつて、その一週間当たりの通常の勤務時間が常時勤務を要する職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間と同一の時間であるもの
2 会計年度任用職員の任期は、その採用の日から同日の属する会計年度の末日までの期間の範囲内で任命権者が定める。
3 任命権者は、前二項の規定により会計年度任用職員を採用する場合には、当該会計年度任用職員にその任期を明示しなければならない。
4 任命権者は、会計年度任用職員の任期が第二項に規定する期間に満たない場合には、当該会計年度任用職員の勤務実績を考慮した上で、当該期間の範囲内において、その任期を更新することができる。
5 第三項の規定は、前項の規定により任期を更新する場合について準用する。
6 任命権者は、会計年度任用職員の採用又は任期の更新に当たつては、職務の遂行に必要かつ十分な任期を定めるものとし、必要以上に短い任期を定めることにより、採用又は任期の更新を反復して行うことのないよう配慮しなければならない。
7 会計年度任用職員に対する前条の規定の適用については、同条中「六月」とあるのは、「一月」とする。

背景

これまでは「臨時職員・非常勤職員」という名称の職員が多くいましたが、なぜ「会計年度任用職員」という名称に変更されることになった(法改正された)のでしょうか?

元々、自治体が「臨時職員・非常勤職員」の名称で雇用していた時は、以下のように分類されていました。

特別職非常勤職員
(法3条3項3号)
一般職非常勤職員
 (法17条)
臨時的任用職員 
(法22条2項・5項)
主に特定の学識・経験 を必要とする業務補助的な業務緊急・臨時の業務
約22万人
(主な内訳) 相談員、研究員、館長等 6.9万人
一般事務職員 5.0万人
約17万人
 (主な内訳) 一般事務職員 4.3万人
保育士等 2.9万人
約26万人
 (主な内訳) 一般事務職員 6.6万人
保育士等 5.1万人
教員・講師 5.7万人
総務省「会計年度任用職員制度について」より抜粋

こういった現状で、特に問題となっていたのが、

  • 通常の事務職員を「特別職」で任用
  • 臨時職員が臨時になっていない
  • 労働者性の高い非常勤職員に期末手当の支給ができない

といった点になります。

これらを解消するために、新たに「会計年度任用職員」という職を設けて、課題を整理したのが、「会計年度任用職員制度」です。

任用・処遇等

そもそも「会計年度任用職員」というネーミングですが、これは

  • 一会計年度(n年4月1日〜n+1年3月31日)で任用をしている職員

というところからきています。

任用

なので、任用については「会計年度ごと」が基本となります。

最初は「公募」が原則となり、その後、最長3年〜5年間の更新が可能という運用が多いです。

ただ、実際は3年〜5年が経った後、「公募」の手続きは取りますが、誰も応募がない場合は、同じ人が同じ職に応募し、採用されることも多々出てくることが予想されます。

会計年度任用職員の処遇は制度前に比べ改善されたとはいえ、決して良いとは言い難いので、人が集まらないのが現状です。

処遇

処遇については制度導入前に比べ、改善されたと言われています。

(実際は自治体によって、様々なので一概には言えません)

特に「期末手当」が支給されるようになったのが、大きな改善点です。

身分

大事なポイントとして、「会計年度任用職員」は地方公務員法の適用になるというところです。

これまで「特別職非常勤」として整理されていた職員は、ここが大きく変わってきます。

地方公務員法の適用があるということは「懲戒」や「服務」などの規定の対象にもなってくるということです。

制度導入後、どうなった?

会計年度任用職員の制度が導入された後、どのようになったか、前述の表と比較をしてみます。

制度導入前

特別職非常勤職員
(法3条3項3号)
一般職非常勤職員
 (法17条)
臨時的任用職員 
(法22条2項・5項)
主に特定の学識・経験 を必要とする業務補助的な業務緊急・臨時の業務
約22万人
(主な内訳) 相談員、研究員、館長等 6.9万人
一般事務職員 5.0万人
約17万人
 (主な内訳) 一般事務職員 4.3万人
保育士等 2.9万人
約26万人
 (主な内訳) 一般事務職員 6.6万人
保育士等 5.1万人
教員・講師 5.7万人

制度導入後

特別職非常勤職員
(法3条3項3号)
会計年度任用職員
 (法22条の2)
臨時的任用職員 
(法22条の3)
主に特定の学識・経験 を必要とする業務補助的な業務緊急・臨時の業務
約0.4万人 約62.2万人 約6.8万人

制度導入後は、会計年度任用職員が全体の約9割となり、従来の「臨時・非常勤」の職が整理されました。

制度改正の成果をまとめると以下のようになります。

  • 通常の事務を担う「臨時・非常勤」と言われていた職員が「会計年度任用職員」となり、処遇の改善がされた(期末手当支給対象になるなど)
  • 特別職非常勤職員が厳格化され、専門性の高い人材に絞られた
  • 臨時的な任用でない臨時的任用職員が会計年度任用職員へ移行した

まとめ

会計年度任用職員について、なるべくわかりやすく解説をしました。

繰り返しになりますが、会計年度任用職員は「自治体に所属する一般的な非正規職員」のことです。

会計年度任用職員制度が導入された背景として、自治体の臨時・非常勤職員の任用の仕方に問題がありました。

  • 通常の事務職員を「特別職」で任用
  • 臨時職員が臨時になっていない
  • 労働者性の高い非常勤職員に期末手当の支給ができない

といった点が問題点でした。

導入後は、

  • 「臨時・非常勤」が「会計年度任用職員」となり、処遇の改善がされた(期末手当支給対象になるなど)
  • 特別職非常勤職員が厳格化され、専門性の高い人材に絞られた
  • 臨時的な任用でない臨時的任用職員が会計年度任用職員へ移行した

など一定の成果が上がりました。

とはいえ、まだまだ制度自体が十分ではなく、処遇改善も十分と言えない自治体もあります。

また、そもそも自治体が本来、正規職員で対応するべきところを会計年度任用職員に頼り過ぎな部分は、未だ課題として残ったままです。

会計年度任用職員について理解した上で、その先の課題発見・解決につなげていきたいところでもあります。

参考

YouTubeで動画を公開しています。

よろしければそちらもご覧ください。

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