自身の担当業務しか見えていない人、担当課の業務しか見えていない人は、賢明なる公務員とは言えません。
賢明なる公務員は、広い視野を持っています。
担当課全体の業務だけでなく、役所全体、行政全体、さらには地域社会全体、もっと言えば社会全体、もっと言えば社会の外に広がる世界まで(ここまでいくと行き過ぎの場合もありますが・・・)、視野を広げて考えることができます。
空間的な広がりで言えば、この通りです。
さらに賢明なる公務員は、時間軸も長いスパンで考えます。
歴史を知り、20年、30年もっと先の将来を考え、今するべきことは何か、考えます。
次世代により良くつなげるためには、どうすることが最善なのか、といったことです。
まちづくりについて、アメリカの環境倫理学者ベアード・キャリコットは、「住民ニーズに従ってはいけない」と主張します。
なぜかと言うと、「まち」という大きな場所、長い時間に生きるものは、住民のライフスパンをはるかに超えたライフスパンを持つからです。
長い時間軸、広い空間感覚を持っていないとまちづくりもできないのです。
こういった視野の広さを頭の片隅に持ち、仕事をすることができる人が、賢明なる公務員ということができるでしょう。