法律

憲法第94条をわかりやすく解説〜地方公共団体の権能〜

条文

第九十四条 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

解説

本条文では「地方公共団体の事務」と「条例制定権」について、規定されています。

「地方公共団体の事務」については、「自治事務」と「法定受託事務」の2種類が地方自治法上、示されています。

  • 「自治事務」:地方公共団体が自主的な判断によって処理する事務
  • 「法定受託事務」:地方公共団体が国や都道府県から受託する事務(国や都道府県の事務であっても、住民に近い地方公共団体が担当した方が住民の利便性が高い場合などに利用される制度)

「条例制定権」とは、条例という地方公共団体が自主法を制定することのできる権能のことです。

「法律の範囲内」という文言が問題となってきますが、判例(徳島市公安条例事件:最大判昭50.9.10)では以下のとおり判示されています。

徳島市公安条例事件(最大判昭50.9.10)
事案:徳島市内の公道で集団行進を指示した者が道路交通法及び徳島市公安条例違反で起訴された事案
判旨:条例が国の法律に違反するかどうかは、両者の対象事項と規定文言を対比するのみでなく、それぞれの趣旨、目的、内容及び効果を比較し、両者の間に矛盾抵触があるかどうかによってこれを決しなければならない

-法律

© 2024 公務員ドットコム Powered by AFFINGER5