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既判力をわかりやすく解説

既判力とは?

既判力とは?

既判力とは、前の裁判の判断内容が後の裁判を拘束する効力のことです。

最高裁の判決が出たことなどで判決が確定した事件について、当事者、裁判所は確定判決の判断に拘束されます。

例えば、土地の所有権をめぐって、敗訴判決が確定したとします。

この場合、再度別の裁判所で土地の所有権を争うことはできません。

(ただし、前の裁判の口頭弁論終結時までに生じた事実に関してです。)

また、裁判所も確定判決と矛盾する裁判を行うことができません。

既判力の趣旨

既判力の趣旨は、

  • 紛争解決の実効性を図る
  • 手続保障が十分に与えられたことに対して自己責任を持たせる

ことにあります。

既判力の作用

既判力の作用は、

  • 消極的作用:当事者は既判力の生じた判決内容に反する主張・立証をすることは許されない
  • 積極的作用:裁判所は既判力が生じた判断内容と矛盾抵触した判断をなしえない

の2つの作用があります。

既判力の客観的範囲

既判力は判決主文(訴訟物の存否の判断)のみ及びます。

民事訴訟法第114条(既判力の範囲)
確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。

判決理由中の判断には及びません。

この趣旨は、訴訟物自体の判断について既判力を認めれば、紛争解決の実効性を図ることができるからです。

また、判決理由中の判断に既判力を及ぼさないことで、当事者は自由な訴訟活動を行うことができることも理由としてあげられます。

ただし、例外として「相殺の抗弁」については、判決理由中の判断についても既判力が及びます。

民事訴訟法第114条(既判力の範囲)
2 相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する。

この例外規定の趣旨は、相殺の場合、判決理由中の判断に既判力を認めておかないと、訴求債権についての紛争が反対債権の存否の紛争として蒸し返され、実効性を図ることができないからです。

既判力の主観的範囲

既判力は原則、当事者間にのみ及びます。

例外として、115条1項2号〜4号があげられます。

民事訴訟法第115条(確定判決等の効力が及ぶ者の範囲)
確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。
一 当事者
二 当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人
三 前二号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人
四 前三号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者

既判力が当事者間のみに及ぶことの趣旨は、紛争解決の実効性の観点から当事者間に既判力を及ぼせば十分というところにあります。

当事者であれば手続保障が十分に与えられているため、敗訴判決を受けたとしても自己責任として受容しなければなりません。

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