共同売店とは
共同売店とは、地域住民が共同で出資、運営する商店のことです。
生協に似ている部分もありますが、売店として実店舗がある点や実際に店員を雇っている点、出資、運営の仕方など異なる点も多くあります。
ただし、イメージは生協のイメージで良いかと思います。
生協の組合員が共同売店では地域住民となります。
始まりは、沖縄北部で、現在でも沖縄北部や沖縄離島に残っています。
沖縄離島の共同売店
共同売店は、特に沖縄の離島では存在感があります。
例えば、沖縄の離島の中でも、伊是名島という島が沖縄北部にあります。
伊是名島は人口1500人弱の島ですが、島内に3つの共同売店があります。
その共同売店の内の一つの店舗は、年間の売り上げが1億2000万円に上ると言います。
小さい島の小さい売店にしては、すごい数字です。
離島の場合は、他の大手商業施設やコンビニなどの流通がないため、地域内でかなりの経済活動が支えられているということができるでしょう。
離島ではない中山間地域はどうか?
では、離島ではない中山間地域はどうでしょうか?
国内でも、過疎高齢化の進む地域では一部、共同売店を作り、継続しようという取組みは行われていました。
しかし、沖縄以外での共同売店は今ではほとんど存在しないのが現状です。
アマゾンを始め、ネットの流通がかなりの過疎地域まで網羅できていることやコンビニの存在も大きいです。
地域内経済の可能性と限界
共同売店の例は、地域内経済の可能性を示してくれます。
地域住民でシェアができれば、大きなマーケットは必要ないことがわかります。
限られたマーケットであっても、売り上げが1億円を超えるのですから、現顧客を大切にする方が、マーケットを広げるより大事なことだということが分かります。
ただし、これが沖縄や離島といった閉鎖空間でしかほぼ成立していないというのが、共同売店からみる地域内経済の限界です。
他の地域とつながっている地域では、共同売店はほぼ現存していません。地域内経済である程度を回そうとすると限界が出てきます。
誤解しないで欲しいのは、コンビニが悪いと言っている訳ではありません。
地域に溶け込み、地域に支えられているコンビニも国内には無数に存在します。
ただ、そのコンビニのメニューは全国一律のものであって、客はあくまで利用者で、運営には関与しません。
共同売店であれば、一定の責任があります。客であっても出資者や運営者という側面があるからです。
コンビニで例えれば、客がそれぞれそのコンビニチェーンの株式を持っているようなものでしょうか。
共同売店というそれぞれの地域の個性を、残したいと思うのは、そこに地域文化や風土のようなものがあるような気がするからです。
全国一律のサービスも悪くありませんが、それぞれの個性も触れると面白いものがあります。