事件の概要
A女が公園のベンチにポシェットを忘れて、その場から離れた。
Yは、A女が公園から27m離れた歩道橋の踊り場に達したのを見届けて、ポシェットを盗り、公衆便所に駆け込んだ。
A女は、ポシェットを忘れたことに気付き引き返した。
A女に問い詰められ、Yはポシェットを奪ったことを認めた。
窃盗罪で起訴され、1審、2審有罪。
窃盗ではないとの主張をし、Yは上告。
判決の概要
上告棄却。
- 被害者がポシェットを一時的に忘れ、現場から立ち去ったとしても、占有は失われていない。
- 被告人の行為は、占有離脱物横領罪ではなく窃盗罪である。
事件・判決のポイント
本事件での被告人の行為が、窃盗になるか占有離脱物横領になるかが問題となりました。
被害者の財物が時間的、距離的に近接している場合、占有は継続していることになります。
それにしても、「ポシェット」って、・・・最近言わないですよね。
関連条文
刑法第二百三十五条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。