条文
第五百四十条(解除権の行使)
契約又は法律の規定により当事者の一方が解除権を有するときは、その解除は、相手方に対する意思表示によってする。
2 前項の意思表示は、撤回することができない。
解説
本条文での「契約の解除」とは、契約締結後、当事者一方の意思表示によって、契約が初めからなかったものとする効果をもたらす制度のことです。
解除権には「法定解除権」と「約定解除権」があり、具体的にはそれぞれ以下のようになります。
- 法定解除権:債務不履行解除(541条以下)、賃借人の解除権(612条2項)、注文者の解除(641条)、委任の解除(651条)等
- 約定解除権:解約手付(557条1項)、買戻し特約(579条前段)等
解除権の行使については、相手方の意思表示によってなされ(1項)、以下の点について留意する必要があります。
- 撤回ができない(2項)(理由:相手方の信頼保護)
- 条件は付けれない(理由:相手方の地位を不安定なものにするため)
- 期限は付けれない(理由:解除には遡及効があり、期限を付けるのは無意味であるため)