コラム

人口が約90%以上減ったまち「福島県浪江町」の復興は可能なのか?

約21000人の人口が震災で1400人に。

福島県浪江町では、東日本大震災により大きな被害を受けました。

震災による直接的な被害も大きいものがありましたが、震災による福島第一原子力発電所の事故により町から人がいなくなりました。

浪江町は福島第一原発から最短4キロに位置しています。町のほぼ全域に避難指示が出され、町民は福島県内外に避難しました。

震災前に約21000人いた人口は、2020年現在では、約1400人になってしまったとのことです。

20人用の家で1人で住むようなもの

この大幅な人口減は、例えるなら、20人用の大きい大豪邸に単身で住むようなものです。

必要なインフラはあまり過ぎており、維持管理だけでも、住民で補えるものではありません。

単身で住むには広すぎる。掃除も大変。コストもかかる。けど、誰もいなくなると荒れ果てる。

そういった状況にあるのが、浪江町なのです。

福島県浪江町の復興は可能なのか?

果たして浪江町の復興は可能なのでしょうか?

かつて、広島や長崎は原爆の被害を受け、その後70年以上が経過し、見事に復興をしています。

しかし、広島や長崎に習うのが良いかと言うとそれは違います。

広島や長崎が復興した国内情勢と今では大きく異なるからです。

人口が増加傾向にあり、国としても発展途上にあり、その後の高度経済成長につながっていった当時と今では状況が異なります。

しかしながら、広島や長崎が参考になるところは多々あります。

一つに「被災自治体としての国際的に発信する責任のある立場」が共通してくるかと思います。

国際的にも名前の知られるようになった浪江町は、被災の経験を踏まえて、原発事故を二度と起こさないよう世界に発信する立場にあります。

それは、国際的にも大きな役割で、こうした大きな責任を持つ町はあまりありません。

その中で、人口比で大き過ぎる町をどうしていくか考えていく必要があります。

20人用の大豪邸で住む人を、せめてあと1人、2人増やすよう努力する一方で、20人戻ってくることは、ないであろうから、それを見越したインフラ整備をしていくというのが現実的です。

インフラへの投資と将来のビジョンとの見極めが非常に難しいと思います。

とても難しいまちづくりですが、国際的な発信力を持つ責任を気概に復興を目指して欲しいです。

復興は可能かとの問いに関しては、時間はかかるが可能である、とします。

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