専門職が業務委託する現状
役所には専門職の職員が数多く存在します。
保健師や保育士、技術職員である土木や電気、建築技師、他にも学芸員や教員、中には医師や弁護士などもいます。
専門職が専門職として採用され、専門性を高めながら、地方自治運営の一端を担います。
地方自治を運営する中でも、一定の専門性がないと判断できなかったり、施策に反映できない場合もあるため、専門職員は必要になってくるのです。
そんな専門職員ですが、謎もあります。
専門職員であるにも関わらず、委託をするのです。
専門職が委託をする?専門職の中の専門家にでも委託するのでしょうか?
委託は事務屋でもできる。
委託というのは、本来、自治体がする業務を他の団体や個人に任せることです。
委託にも様々なものがあります。技術的に自治体ができないものを委託したり、マンパワーの問題やコストパフォーマンスの問題から委託するものなど、様々です。
委託は自治体と委託先との契約なので、多くの手続きは事務屋がすることになります。
行政における専門職の役割とは?
委託の中で見落としてはいけないのは、専門職の委託で、その中でも専門分野を委託するものです。
専門職が自身の専門分野の業務を委託することも実際にあります。
これは、本来は恥ずべきことではないでしょうか?
自身の専門性を放棄して、専門家に委託することなど許していいのでしょうか?
例えば、建築技師が公共施設の設計を委託したりします。自分自身で設計をしないのです。
そんな建築技師は自治体に本当に必要でしょうか?
学芸員が調査を委託します。
マンパワーの面で仕方がない場合がある一方、調査をするのは、学芸員の仕事なのでは?と思ってしまいます。
専門職が自身の専門分野を委託することは、本来想定していないことなのです。
行政における専門職の役割というのは、公共について考えながら、公共の利益に反しないよう専門性を活かすことにあります。
なので、公共を考慮しながら施設を設計するべきで、土木工事との折り合いをつけながら調査するのが、公務員としての専門職です。