コラム

堀江貴文氏の大樹町住民票異動発言にみる行政に欠けているまちづくりの視点とは?

堀江貴文氏の住民票異動発言について

堀江貴文氏は、2020年4月27日のツイッターで「今日すごく嫌なことされたので大樹町民やめます」と発言したとされています。

報道によれば、2015年12月に大樹町に住民票を移しており、約4年半大樹町民だったとのことです。

「すごく嫌なこと」とは何なのでしょうか?

ロケットの打ち上げ延期要請が原因?

堀江貴文氏が起業したベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」が、5月2日から北海道大樹町で小型ロケットの打ち上げを予定していました。

ところが、町は、見学者の来訪により新型コロナウイルス感染拡大防止のため同社に延期を求めました。

新型コロナウイルス感染拡大を恐れる声が町民から出ていることなどが理由ということです。

行政に欠けているまちづくりの視点

上記の報道から、次のことが推測されます。

「インターステラテクノロジズ」は、ロケットの打ち上げを以前から5月2日に予定していました。

しかしながら、政府の緊急事態宣言を受け、国内は異様なまでの活動自粛がなされました。

今でこそ経済とコロナ感染予防の両立のようなことが言われていますが、考えられないぐらいの自粛でした。

自粛の賛否については、ここでは触れません。どちらも一理あると思います。

こうした自粛の流れとその煽りを受けている町民(きっと町長に意見できる有力者)が「コロナの自粛している時期にロケットの打ち上げは不謹慎だ」と言ったのでしょう。

大樹町はその意見を真に受けたのだと思われます。

こういったことは、自治体の意思決定の際によくあることです。

①目立ったことはしたくない。(ロケットを打ち上げると目立つ。)

②声のでかい人の言うことは聞く。(議員や経済界関係者など票を持っていそうな人)

ただ、堀江氏は一貫して、異様な自粛には「ノー」と言っています。通常の感染防止対策をするべきとの発言もあります。

また、ロケットの打ち上げに観客が来たところで、どれほど感染のリスクがあるのでしょうか?

そして、大樹町のまちづくりの観点からこの問題を見ると、「とても大きな損失」につながってしまったと言わざるをえません。

堀江貴文氏の存在は、単純に高額納税者というだけでなく、雇用創出もしていましたし、町の知名度に計り知れない貢献をしていました。

普通の自治体では、年間かなりのお金をかけてPRする広告料が不要などころかその何十倍、何百倍の広告を自主的にしてくれていました。

最先端のまちづくりができる可能性があったのが大樹町だったのですが、堀江氏を逃してしまったとのことで、普通の町になってしまう可能性が高くなってしまいました。

この太字で書いた部分が、行政に欠けているまちづくりの視点です。

町長はじめ自治体の意思決定機関は、とても保守的で、批判されるのをすごく恐れます。責任なんて取りたくありません。

今回の大樹町の事例は、典型的な行政マン達が決めたことだったと思います。

本当であれば、反対意見もあるが、大樹町や日本の将来のことを考えると、ロケットの打ち上げをする方が良いのだと考える行政であって欲しかったですね。

コロナ禍でのロケットの打ち上げ方を一緒に考えるぐらいの行政であれば、未来は明るいような気がします。

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