忘れられる権利とは?
忘れられる権利とは?
ネット上に個人情報が残っている場合、削除を請求することができる権利のことです。
ネットやSNSの普及に伴い、プライバシー保護の必要性が高まり、「忘れられる権利」が主張されるようになりました。
憲法13条の中でも「プライバシー権」の一種として位置づけられています。
判例
「忘れられる権利」の判例として以下の事案があります。
忘れられる権利(最決平29.1.31)
事案:ネットの検索サービスで、Xの児童買春法違反の逮捕歴等の内容が表示されていた。Xは人格権、人格的利益に基づいて、検索結果の削除を求める仮処分命令の申し立てをした。
決旨:
- 個人のプライバシーに属する事実をみだりに公表されない利益は、法的保護の対象となる
- 一方で、検索結果の提供は、検索事業者自身の表現行為という側面がある
- また、検索結果の提供は、ネット上の情報流通の基盤として大きな役割がある
- 特定の検索結果の削除は、表現行為の制約であり、検索結果の提供を通じて果たされる検索事業者の役割の制約にもなる
- 「事実を公表されない法的利益」と「検索結果として提供する理由に関する諸事情」を比較衡量し判断すべき
- 前者が優越すれば、検索事業者に対して、削除を求めることができる