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全部取得条項付種類株式とは?わかりやすく解説

全部取得条項付種類株式とは?

種類株式(異なる権利内容を持つ株式)の一種で、株式の全部を会社が取得できる株式のことです。

取得する際に、株主総会の特別決議が必要となります。

制度趣旨としては、株主全員の同意なく、株主総会の特別決議により「100%減資」を可能とすることにありますが、発行済株式の内容変更にも利用が可能です。

(※100%減資とは、会社が債務超過に陥った場合などに、株主の持株をゼロにすること)

全部取得条項付種類株式は、株主全員の同意なく種類株式の全部が取得されるため、取得される株主側の利益保護が必要となります。

取得価格に不服のある株主には、裁判所に対する価格決定の申立権が与えられています。(会社法172条)

会社法第108条(異なる種類の株式)
株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。ただし、指名委員会等設置会社及び公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行することができない。
七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。

第172条(裁判所に対する価格の決定の申立て)
第百七十一条第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、次に掲げる株主は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、株式会社による全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定の申立てをすることができる。
一 当該株主総会に先立って当該株式会社による全部取得条項付種類株式の取得に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該取得に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)
二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主
2 株式会社は、取得日の二十日前までに、全部取得条項付種類株式の株主に対し、当該全部取得条項付種類株式の全部を取得する旨を通知しなければならない。
3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。
5 株式会社は、全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社がその公正な価格と認める額を支払うことができる。

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